どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | 完熟じゅわわ いちご |
製造者 | 販売者:株式会社 ノースカラーズ、加工所:株式会社 キィポーション |
名称 | 準チョコレート |
内容量 | 45g ※数えたところ、5粒入り。 |
原材料 | 準チョコレート<国内製造>(砂糖、植物油脂、ココアパウダー、カカオマス、乳糖)、FDイチゴ/乳化剤、香料、(一部に乳成分・大豆を含む) |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 乳・大豆 |
賞味期限 | |
発売日 | ? |
発売エリア | ? |
価格 | ? |
商品コンセプト・説明 | ・チョコなのにいちご?! ・“新食感フルーツスイーツ” ・フリーズドライのいちごにチョコレートをじゅわわっと染み込ませました。 |
備考 | ― |
菓子メーカー・ノースカラーズより、「完熟じゅわわ いちご」が発売。
公式サイト上やSNSなどでの公式な情報はほとんどなく、上記にはパッケージから得られた情報を記載しています。
商品キーワード
ノースカラーズ(販売者)、キィポーション(加工所)、チョコレート、完熟じゅわわ、いちご、フリーズドライ、新食感フルーツスイーツ
やはりここで注目すべきは、「フリーズドライ」「新食感フルーツスイーツ」というポイントですね!
北海道の菓子メーカーである「ノースカラーズ」。私は初めて知りましたが、ポテトチップスやチョコレートのほか、おつまみも製造しています。特に近年は地元・北海道由来の素材やオーガニック、無添加に注力している自然派メーカー。
そして加工所として記載のある「キィポーション」は、岐阜の乾燥材の製造や食品包装を行っている会社。「加工」となっているので、選別包装などを行っているかと思われます。
さて、今回のフレーバーは「いちご」。本商品ではいちご「味」に仕立てたのではなく、フリーズドライのいちごがそのまま使われています。
チョコレート系商品でフリーズドライのいちごを使うシーンといえば少量のフレークを使う場合が大多数ですが、こちらはなんとフリーズドライのいちごを贅沢に一粒丸ごと使った商品となっています。
ネット上にはほとんど情報はありませんでしたが、今回も具体的にどのような商品に仕上がっているか…要チェックです!
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2019/05/23 |
購入価格 | ¥358(税込)、¥332(税別) |
備考 | ― |
いつから発売開始したのかわかりませんが、姉妹品の「完熟じゅわわ バナナ」と一緒にフリーズドライ商品棚の一番上に並んでいました。
原色の黄色が結構目立ってましたね。そして、200円台までがほとんどのお菓子コーナーにおいて、やや高めの値段設定です。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
↓パッケージ(表)
フック穴ありのマチ付きアルミ蒸着包装。
原色のカラーが鮮やかなパッケージ。背景色の黄色とイチゴの赤のコントラストがくっきりと目立ちます。画面からはみ出さんばかりのイチゴは、よく見るとリアルな口がストローを咥えて下にある液状のチョコレートを吸っているデザインになっています。「染み込み」を擬人化で表現したイラストになっています。(唇がリアルで若干不気味ですが…)
イチゴのイラストの周りには、商品実物の写真も。ミルクチョコレート系の商品であることがなんとなくですが、わかります。不思議な形と質感の印象。
キャッチフレーズは「チョコレートが贅沢に染み込む、新感覚フルーツスイーツ。」。このキャッチだと何か新しいものだというのはもやっと伝わりますが、ちょっと商品のウリが伝わりにくい気が…。どう新感覚なのか、もっとストレートに「フリーズドライのイチゴに贅沢にチョコを染み込ませた」とか、「手が汚れにくい」とか「さっくり食感」、「じゅわっと甘酸っぱい」など具体的に書いてあっても良い気がします。
パッケージ表だけを見ると「フリーズドライいちごのしみチョコ」という一番のポイントがわからないので、表パッケージと値札だけパッと見ると「よくわからないけど高いチョコレート菓子」という印象になってしまいやすいでしょう。間違いなく「フリーズドライイチゴまるごと」は表パッケージに入れるべき!と思います。(他のチョコ菓子よりも高めの価格設定になっている由来も伝わりやすく、さらに説明やイラストではわかりにくい「イチゴしみチョコ」というのがわかりやすくなるはず。)
↓パッケージ(裏)
左上の一部に商品説明、残りにパッケージ関連必要事項。
説明には「チョコなのにいちご?!」「"新食感フルーツスイーツ"」「フリーズドライのいちごにチョコレートをじゅわわっと染み込ませました。」と書かれています。裏面を読めば、具体的にどのような商品なのかイメージできますね。(でも実際は手に取ってもらえないと裏面まで見てもらえないんだよな、っていう…やはり表にも説明欲しい)
↓栄養成分表示拡大
100g当たり、カロリーは584.6kcal。この商品は45g入りなので、1袋食べるとカロリーは約262.8cal。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「FDイチゴ」とある部分ですね!
最も多く含まれる原料は「準チョコレート」、次いで「FDイチゴ」、添加物の「乳化剤」と続きます。
「チョコレート」部分がまとめ表記になっており、準チョコレートとイチゴのシンプルな構成なのがわかりますね。
チョコレートには砂糖が最も多く使われ、植物油脂ベースのなめらかであっさりめのタイプ、カカオマスよりもココアパウダー含量が多いのが特徴です。
「FDイチゴ」はフリーズドライ イチゴの略で、真空凍結乾燥が行われたイチゴのことです。フリーズドライはドライフルーツとは違い、乾燥後も鮮やかな色と形を保てるのが特徴の製法です。フレッシュのイチゴとは若干味も変わりますね。大抵国産の素材を使っていると「国産」と明記されているので、こちらは外国産イチゴでしょう。
このフリーズドライイチゴにしみチョコ加工…含浸という技術でチョコレートを中の空洞部分に真空で均一に染み込ませて作ります。これには含浸用の特殊な機械が必要なので、その設備を導入していないと作れません。
このフレーバー「いちご」の要となる原料は「FDイチゴ」「香料」ですね。上記の通りフリーズドライのいちごをそのまま使用し、さらに香料での香りづけをしてはありますが、味自体に関わるのはイチゴそのもの!
フリーズドライのフルーツはドライフルーツよりも自然な甘みになりやすいので、さっぱりしたイチゴそのものの甘みが楽しめますね。ちなみに、大抵のいちご風味のお菓子には香料だけでなく酸味料や他のフルーツが併用されており、このようにフルーツそのものを活かしたものはとても貴重で風味も豊かです。
添加物は「乳化剤」以下の2種。
チョコレート菓子ながらフリーズドライフルーツを主体とした商品になっていますね。
包装
個包装なし。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
↓包装を開けたところ
ゴツゴツした表面。ピンク色がかったいちごしみチョコがざっくりと入っている。
↓商品アップ(表裏)
やや赤みがかった茶色のチョコレートに、プチプチしたいちごの種が見える。形はヘタを取ったイチゴそのまま。
↓断面(割ってみたところ)
内側にいちごの鮮やかなピンク色が見える。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
ゴツゴツした岩のような表面にプチプチしたイチゴの粒が見えて、独特の見た目でインパクトがあります。形はイチゴそのもの。なんと、贅沢にフリーズドライイチゴそのものを丸々一粒使ってます!
着色料は使用せず、素材そのものの色が出ていて、ミルクチョコレートはほんのりピンクがかった色味をしています。
見栄えは正直一般的なしみチョコに比べて若干劣るでしょうかね…。イチゴそのものを活かしてある分、プチプチごつごつで赤茶色なのが少し…食欲をそそらないというか。しみチョコなので、表面はザラッとして細かい凹凸もできますし。
半分にカットすると、中のフリーズドライイチゴの鮮やかなピンク色が見えるのでとても華やか。
そして、原材料表示を見ずとも、いちごの形そのままのしみチョコであることが理解できます。
もしかしたら、ホワイトチョコだと見栄えがもっと良かったかもしれません。…しかしそうするとミルクチョコでなくなってしまうので、味が相当変わってしまいますしね。(←私はホワイトチョコよりミルクチョコ派)
ともかく、フリーズドライイチゴを丸々使った非常に贅沢な商品であることがわかります。
※お菓子のパッケージによく「贅沢に」「ふんだんに」フルーツを使って…なんて書いてあるのに原材料をよく確認するとほんのちょびっとしか使ってないことがあるのですが、これは別物!しっかりしてる!
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
長さ(cm) | 長辺 | 短辺 | 高さ |
今回計測忘れ。サイズ的には小粒のいちごそのままなので、小さめのひと口サイズ。
しみチョコなので1個当たりのサイズはフリーズドライイチゴのサイズに左右されるので、若干サイズと形にばらつきあります。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
袋を開けた瞬間、強くイチゴの甘酸っぱい香りとミルクチョコレートの甘い香りがします。フレッシュのイチゴの匂いにもあるような、どこか青みを感じるフレッシュな印象も少しありますね。いちごの香りが強いですが、ミルクチョコレートの甘い香りもほんのりと香ります。
香料が併用されているので香りのインパクトは非常に強く、食べる前からイチゴ味の雰囲気が楽しめます。強めの香りですが甘ったるくないので、きつい感じがしないのも好印象。
〈食感〉
サクサク、プチプチした非常に軽い歯ごたえでチョコとフリーズドライイチゴの一体感のある食感。
やはりフリーズドライのしみチョコだけあって、チョコレート菓子の中でもトップクラスに軽いですね。フリーズドライフルーツ自体元々中に空隙を多く含みさっくりとした食感に仕上がる特徴があります。
チョコ掛けだと歯ごたえがコーティングチョコ厚みの分硬めの歯ごたえが加わってしまいますが、しみチョコは加工後でもサクサクした独特の食感の楽しさは健在。
フリーズドライ+しみチョコは非常に食感的相性が良いですね。フリーズドライの良さをチョコが殺してない、というか。(掛けチョコは食感の対比はあるけど一体感はやや下がるね)
〈味〉
フリーズドライいちごの自然な甘酸っぱさとミルクチョコレートのまろやかな甘さが合わさり、非常にリッチな味わいです。
多くのいちごフレーバーチョコレートは少量のいちごパウダー等+香料や他のフルーツ果汁、酸味料で味を表現するのに対して、この商品では100%いちごそのものに由来する甘酸っぱさなわけですからね!贅沢です。
香料が併用されていることもあり、食べる前からフレッシュ感のあるいちごの爽やかな香りがしっかりめに香り、期待感が高まります。
ひと口噛むと、口いっぱいにいちごの香りとマイルドなミルクチョコレートの甘みが広がります。ややあっさりとしたミルク感で、最初に食べた直後のインパクトはチョコレートの方がいちごよりも強め。
そして少し遅れてさっくりした食感とともに、いちごの甘酸っぱさがぶわっと一気に出てきます。このいちごの風味はフレッシュのイチゴとはもちろんひと味違い、果汁感は生よりも抑え目ながら甘みが自然で甘ったるくなく、カドのないまろやかな酸味です。
噛んだ直後は酸味のアクセントが強めですが、噛むごとに徐々に甘み強めのいちご風味に変化します。チョコレートのまろやかな甘みと噛むごとに合わさって、酸味やや強めからマイルドな味に変わりますね。
いちごとチョコレートのタイプの違う甘みが合わさる事でさっぱりしつつも飽きのこないチョコレートに仕上がっています。
後味も、クエン酸主体の一般的な廉価のお菓子と違って嫌味がなく、酸味の余韻が自然です。
素材の味を活かした、非常にクオリティの高い一品ですね。
また、この商品は「チョコ掛けフリーズドライいちご」ではなく「フリーズドライイチゴのしみチョコ」なので、外掛けタイプと違ってチョコレートといちごの味の一体感も非常に高いのがポイントです。チョコが均一に染み込んでいるのでいちごの酸味が非常にまろやかできつくなく、酸味が苦手な人でも食べやすいです。
高めの価格帯にも納得です。
関連商品
(※写真なし。)
北海道のメーカー「ノースカラーズ」が販売者となっている、「完熟じゅわわ いちご」の姉妹品。珍しいフリーズドライバナナのしみチョコで、フリーズドライならではのジューシーなフルーツ感と食感の楽しさがある商品。いちご同様やや高価。
他社、他ブランドの競合商品
「完熟じゅわわ」は、フリーズドライフルーツを使用した「しみチョコ」。しみチョコは特に小麦やコーンなどの炭水化物主体の焼き生地にチョコレートを染み込ませたものがメジャーで、安価なこともあり市場でも多く出回っている人気のチョコレートジャンル。
「完熟じゅわわ」はフルーツを主体とした希少な商品なので、同じしみチョコといえど、「ベース素材がフルーツ単体か炭水化物主体か」は大きな違いであり、同列には扱えないほど素材の持つ価値が違いますね。(もちろん、フリーズドライフルーツの方が素材としてずっと高価です)
一方フレーバーの「いちご」は、チョコレートに限らず、非常にライバルの多い人気フレーバー。香りと酸味のみで表現するキャンディやゼリー、ガムなどとも非常に相性が良く、表現しやすい部類のフレーバーです。
一方で表現しやすいがゆえに、高価ないちごそのものに由来する原料があまり使われていない(含量が少ない)商品が多いので、「完熟じゅわわ いちご」はその中で貴重ないちごそのものの味わいを楽しめる商品として、他の廉価なお菓子とは一線を画します。
〈同ジャンル菓子〉チョコレート
フリーズドライフルーツいちごを使用した、人気ショップ・無印良品のチョコレート菓子。
いちごにチョコレートコーティングを施したタイプで、「完熟じゅわわ いちご」とはまた違った食感・味の出方となっている。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★☆☆☆☆贅沢な商品設計だが、魅力が伝わりづらい。(もったいない) |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★★★★★見た目△だが、香りや食感、味はフリーズドライイチゴの素材を存分に活かした贅沢なしみチョコ。 |
総合評価 | ★★★★★★☆やや高価だが、それだけの価値がある素材を活かしたフルーツチョコ! |
フリーズドライイチゴを一粒丸ごと使ったしみチョコで、非常に贅沢な一品です。
北海道の素材を活かした菓子などを製造販売する「ノースカラーズ」より発売の「完熟じゅわわ」。今回は同シリーズのうち、フリーズドライイチゴまるまる1粒そのままのしみチョコ、「完熟じゅわわ いちご」。
パッケージ表に「しみチョコ」「フリーズドライイチゴ」「いちご丸ごと」といったキーワードがないために実際の商品実物をややイメージしづらく、手に取ってもらいにくいパッケージデザインになっているのがもったいないですが、商品自体は非常に優れた内容となっています。
ひと口食べると甘酸っぱいいちごの香りとミルクチョコレートのやさしい甘みが口に広がり、酸味料や他の果汁の併用なしにいちごそのもののフルーティーさが楽しめます。
フリーズドライフルーツのさっくりとしたライトな食感といちごのジューシーさで爽やかな、夏場にもぴったりの食べやすいチョコレートに仕上がっています。
フリーズドライイチゴを粒ごとしみチョコに仕上げているので、いちごそのものの自然な甘み・酸味が楽しめるのが最も特長があり、他の市販コンビニ/スーパーで売っている安価なチョコレートとの違いですね。
このタイプのフリーズドライフルーツのしみチョコはネット販売のみ販路などのために身近な場にはなかなか売っていないので、価格がややネックながらも身近で購入できる貴重な品と言えそうです。
イチゴの風味が贅沢に香る非常にリッチなフルーティーチョコレートなので、総合で★6つです。
めっちゃおいしい!お値段も5個入りにしては高いけど、原料と味を考えると納得!!
もしパッケージリニューアルする機会があったら、表パッケージにもっとキーワード盛り込んでほしいです!(ちなみにこの商品、私はパッケージで実はスルーしてました…新商品好きの夫チョイス。興味がさ、ひかれなかったんだよね…実際にはこんなにおいしいのに!)
まとめ
ノースカラーズの「完熟じゅわわ いちご」。
フリーズドライイチゴを使用した、贅沢で希少な商品でしたね。
とても美味しかったので、気になった方はぜひお試しを!
セブンイレブン店頭では取扱いがありますが、ネット通販はないようなので早めにチェックしてみてください。
・
・
・