どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
本日のお菓子は、【新発売】大粒ラムネ です!!
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
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基本データ
まずは基本データから。
商品名 | 大粒ラムネ |
製造者 | 森永製菓株式会社 |
名称 | 清涼菓子 |
内容量 | 41g |
原材料 | ぶどう糖、タピオカでん粉、ミルクカルシウム/酸味料、乳化剤、香料、(一部に乳成分・ゼラチンを含む) |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 乳、ゼラチン |
賞味期限 | |
発売日 | 2018年10月9日(火)再発売 |
発売エリア | 全国・全ルート |
価格 | 100円(税別)/108円(税込) |
商品コンセプト・説明 | ・通常のラムネの品質はそのままに、大きさを約1.5倍にした大人向けのラムネです。(ボトル型ラムネと同品質)・仕事中や移動中に素早くリフレッシュしたいときに手軽に食べられて、気持ちを満たす小袋ラムネです。・ぶどう糖90%配合。(ニュースリリースより) |
備考 | 新発売、発売再開 |
販売休止になっていた、ロングセラー商品「森永ラムネ」の大粒バージョン、「大粒ラムネ」が発売再開。
商品キーワード
新発売、発売再開、森永製菓、清涼菓子、ラムネ、大粒ラムネ、大人/ビジネスパーソン、再発売、ブドウ糖90%、スッキリ
やはりここで注目すべきは、「再発売」「大粒ラムネ」「大人/ビジネスパーソン」というポイントですね!
総合菓子メーカーである森永製菓のロングセラー商品「森永ラムネ」。レモネードの日本アレンジが由来とされる飲料の「ラムネ」をモチーフとした錠菓です。
ラムネ瓶を模した容器に入った甘酸っぱい味わいはシンプルで飽きがこず、子ども向けのお菓子として定番となっていますね。
さて、今回のフレーバーは「大粒ラムネ」。元々の森永ラムネの味わいはそのままに、大きさを1.5倍にした、その名もズバリな商品です。
元の物との違いは、①商品の粒サイズ、②パッケージ形態(ラムネ瓶型容器→チャック袋)、そして③ターゲット(子ども→20-30代ビジネスパーソン)。
この「ターゲット」の違いがこの商品が企画された上で最も重要なポイントですね。
コンビニやスーパー、ドラッグストアなど各販路で定番となっている森永ラムネですが、子ども向け商品のため「売り場」はキッズ/食玩の棚にあります。大人になると自然とターゲット層から外れるので買う人が減るわけです。
しかし、ミントタブレットに代表されるスッキリ感の強い錠菓は近年では気軽な眠気覚ましや気分転換として大人でも好む人が増えていますね。森永ラムネも、ラムネフレーバーの特徴的にミントほど爽快感は出ませんが、商品の中身自体はこれらと非常に近いです。
さらには、元々「森永ラムネ」の原料が持つメリット、「ブドウ糖を90%配合」というのも手軽な糖分補給として注目のポイントです(疲れたらブドウ糖配合のお菓子で糖分補給、というのもだいぶ定着しましたよね)。
少子高齢化の現代において購入者層を広げるのは非常に重要ですから、今回の「大人向けラムネ」は「小さい頃は森永ラムネを食べていた大人」「ミントタブレットなどの錠菓を好む社会人」を取り込む企画という事ですね。
言わずもがな、ロングセラー商品なので商品のポテンシャルは間違いなく高いのです…具体的にどんな商品か、詳細も要チェックです!
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2018/10/30 |
購入価格 | ¥108(税込) |
備考 | ― |
店舗入って2番目のレジ前側の棚の角の部分にフック陳列されていました。お店に入って前を向いていると自然に視界に入ってきて、メタリックな水色と赤の配色もあり目立っていましたね。
発売当初から1ヶ月間くらいはコンビニに大量に陳列されていましたが、11月後半に入って、だんだん置いていないコンビニが増えてきている印象でした。スーパーやドラッグストアではどこも大量に置いてましたね。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
グミなどでおなじみの、フック穴ありのアルミ蒸着チャック付き袋。マチはなし。
薄くてかさばらず、一度に食べ切る必要がないので持ち歩きに便利。かつ、錠菓の場合は硬い容器に入っていると「シャカシャカ」音が気になってしまうが、このタイプの袋はその点も安心。
パッケージ全体はメタリックな青みがかった水色で、飲料のラムネをイメージさせます。泡のイメージイラストが入ることで、より炭酸飲料らしさが出ています。
商品名の「ラムネ」の書体、赤いバックカラー、そして添えてあるラムネボトルのイラストで「森永ラムネ」らしさがしっかりと出ています。レトロ感のある書体が懐かしさを感じさせ、しかしメタリックカラーや他のポップな書体が現代らしさもあり、良いですね。「大粒」の文字は「ラムネ」の文字とは色も書体も配置も離れていますが、これも分かりやすく表示。
キャッチフレーズの「大人もはまる!」「ぶどう糖でスッキリ!90%配合」の文字から、「大人向け」「ぶどう糖補給の機能あり」という商品のアピールポイントがしっかり伝わります。
実際にコンビニの売り場などで見ましたが、遠くからでも赤と水色のコントラストがはっきりして映え、近づくと「森永ラムネ」ブランドの製品とすぐわかる、手に取りたくなるデザインですね。
↓パッケージ(裏)
上3分の1に商品説明、残りにパッケージ関連必要事項。
おなじみのラムネボトルに、表パッケージ同様のメタリ0ックな水色の縁取りが目を引きます。
「仕事中や勉強中に!」と、食べるシーンを具体的に提案してあり、どんな人に買ってほしいのかすぐにわかります。気分転換や手軽な糖分補給に食べてみようかな、という気持ちにさせますね。
ぶどう糖の配合量も具体的に書かれています。
↓栄養成分表示拡大
1袋41g入りで、カロリーは153kcal。数は42粒とかなり入っているので、何度かに分けて食べればチョコレートやケーキなどよりかなりカロリーを抑えたおやつになりそうです。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「ぶどう糖」「酸味料」「香料」とある部分ですね!
最も多く含まれる原料は「ぶどう糖」、次いで「タピオカでん粉」、「ミルクカルシウム」と続きます。
パッケージに書かれている通り、原料の90%をぶどう糖が占めます。ぶどう糖は砂糖よりも身体に吸収されるのが早く、近年手軽な糖分補給に注目されていますね。吸収が早い事で血糖値の急上昇が促され、摂りすぎは身体の負担になるとも言われていますが、少量で気分転換程度の摂取であればまったく問題ありません。
(タピオカ)でん粉はラムネの基本的な原材料のひとつで、砂糖がダマになるのを防ぎます。
ミルクカルシウムは牛乳から抽出したパウダー状のカルシウムで、味にほとんど影響なくカルシウムを添加できる食品です。カルシウムを摂取できるよう入れてある原料でしょう。(なくても伝統的なラムネ風味の錠菓は作れます)
このフレーバー「(大粒)ラムネ」の要となる原料は「酸味料」「香料」ですね。
錠菓のラムネは「飲料のラムネ」をお菓子として表現したもの。
レモンをイメージした酸味と炭酸の泡・独特の香りが特徴なので、飲料のラムネを再現するために香りと酸味を味の大きなポイントとしています。主な原料は砂糖でこれ自体に甘味以外の味の方向性はありませんが、「香料と「酸味料」で甘酸っぱい味とラムネらしさのある香りに仕上げてあります。
添加物なしだとただ甘いだけになってしまうので、この商品に関しては添加物が味の方向付けの重要な素材となっていますね。
添加物は「酸味料」以下の3種。上記の通り、ラムネの爽やかな酸味と、香り付けがされています。
全体にシンプルな原材料となっています。
包装
個包装なし。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
↓包装を開けたところ
数えたら、42粒入りでした。元々の「森永ラムネ」同様、個数多めが嬉しいところ。
↓商品アップ(表裏)
少し横に広い、錠剤のような形。
↓断面(割ってみたところ)
半分に割ると、中も真っ白で断面はザラついてる。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
元となった「森永ラムネ」と同品質の製品のため、白さが際だつシンプルな見た目やさらっとした表面の質感はそのまま。
カーブを描く独特の円錐形でコロンとした形の元の商品に比べて、やや平べったく直径の大きな形状ですが見た目にはそこまで違和感がありません。
1.5倍サイズといえど大き過ぎる事もないので、何年も食べていない人の中には「元々このくらいの大きさじゃなかったっけ?」と思う人もいるかもしれませんね。
着色料不使用で素材そのままの色味は、まぶしいくらい真っ白。
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
長さ(cm)・大粒ラムネ | 直径 1.4 | 高さ 0.8 |
長さ(cm)※参考・森永ラムネ | 直径 1.0 | 高さ 0.9 |
我が家では「森永ラムネ」もよく買うのでサイズを比較してみました(子どもの大好物!)。
「大粒ラムネ」は元の商品をそのまま大きくしたのではなく、上の表にある通り、縦・横・高さの比率が違います。ただ単純に大きくしただけではないようです。
これはそのまま1.5倍サイズにしたよりも食感や口の中での広がりを良くする工夫がされた結果なのでしょうね。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
爽やかな柑橘を思わせる、酸味を感じる香りです。「森永ラムネ」そのままの、どこか懐かしさを感じる香りですね。元々ロングセラー商品に由来するので、小さい頃に食べたことがある人は特に懐かしく感じることでしょう。
鼻で匂いを嗅ぐと、やや粉っぽい香りもします。これは錠菓独特の香りで、メイン素材の粉物の香りかと思います。
甘酸っぱい香りが食欲をそそり、きつすぎない香りなこともあって万人受けしますね。
〈食感〉
表面の質感はサラッとしていて、少し粉感があり、滑らか。
一口噛むと、カリッと小気味好い音とともに半分に割れます。外側に比べて内側は固さが控えめでホロっと崩れます。そのまま中のラムネもさらっと全体に崩れてシャリシャリとした歯ざわりが少しありつつ、すぐにサッと溶けて食べ終わります。口に残る感じはなく、食べ終わりも爽やか。
他の定番ラムネ菓子と比べると固すぎず適度な噛み応えで、噛み砕きやすく食べやすいですね。
あまり固すぎると噛み砕く時に力を強くかける必要があって「ながら食べ」には不向きですが、これは絶妙な固さなので仕事や勉強への集中を途切れさせる事なく食べることができるでしょう。
子どもが食べることを想定した通常の「森永ラムネ」よりもやや大きいことで、噛んだ時に口に十分広がるので大人でも物足りなさがありません。
〈味〉
控えめな甘味としっかりした酸味ながら、きつい酸っぱさではなく、どこかまろやかさもあるさっぱりした味わいです。
口に入れ噛み砕くと、スッと口いっぱいにしっかりした酸味と甘味が強く広がります。最初の印象としては、甘味以上に酸味の主張が強いですね。しかし、ぶどう糖のやさしい甘味が酸味料によるカドのある酸味をまろやかにし(酸味料の定番・クエン酸などは酸味の出方ががきつい)、酸っぱすぎる感じがありません。
中味にも酸味がしっかり主張し、唾液がキューっと出る感じがします。しかし、やはり酸味がきつすぎる感じはなく、食べやすいです。
食べ終わりにかけて、酸味が弱まるとともにぶどう糖のやさしい甘味がよりはっきりしてきます。しかしほんのりした酸味がきちんと残るので、最後の方でも甘酸っぱい味わいを楽しめます。
食べ終わりにはスッと自然に甘味も酸味も途切れて、口の中がさっぱりとした印象です。これは酸味で唾液がよく出るのと後味のキレが良く、合成甘味料が入っていないことで甘味や苦味だがダラダラ口に残ったりしないからですね。(合成甘味料は後味に甘味・苦味が残りやすい)
大人にも人気のミントタブレットはミントの清涼感や合成甘味料の味が特徴として出ているので、それらが苦手な人にとってはこちらの「大粒ラムネ」がミントタブレットの代替となれるでしょう。
万人受けするタイプの、クセのない爽やかな味わいが魅力ですね。
関連商品
「大粒ラムネ」シリーズに新登場の2フレーバーアソートのラムネ。「2フレーバーを一緒に食べる」という提案のある商品で、爽やかな酸味が特長。2019年現在、コンビニなど一部販路で販売。
→※当サイトの記事
森永製菓のロングセラーラムネ。シンプルな材料と甘酸っぱい飽きのこない味わい、ラムネボトルを模した容器が特徴の子ども向けのお菓子。
他社、他ブランドの競合商品
「大粒ラムネ」は、ロングセラーの錠菓・森永ラムネの粒サイズをアップしてチャック袋に入れた、子ども向け商品として展開しているラムネの購買層を大人向けに仕様変更した商品。
錠菓のラムネとしての競合はどれもロングセラーの子ども向けラムネがあり、容器やラムネそのものの形状に凝った「子どもが喜びそうなデザイン」のものがにんきとなっています。
一方、大人(ビジネスパーソン)に人気の商品としてミントタブレットがありますが、清涼感とリフレッシュ効果が人気で、近年ではガムやキャンディからの乗り換え需要もあり成長している分野です。
気分転換や集中力回復を目的に食べている大人が増加しており、フレーバーはミントとラムネで違えど、「大粒ラムネ」の競合となるでしょう。
〈同ジャンル菓子〉清涼菓子
男女問わず乳児・幼児に人気のアンパンマンをモチーフとしたラムネ菓子。キャラクターの描かれたパッケージ・ラムネ本体に、アソート4種それぞれに着色がされており、子どもが興味を持ちやすいよう配慮。
さらに原料はメインにぶどう糖を、歯のことを考えて緑茶ポリフェノール・カルシウムを配合し、購入する親へのアピールもなされている。
↓ミンティア ワイルド&クール(アサヒフードアンドヘルスケア)
国内一番人気ブランドのミントタブレットは、クセになる刺激感とミントの風味で強力に消費者に印象付ける、大人向けタブレット。
刺激感や持続性、味の方向性にバリエーションを持たせた豊富なラインナップで日々の気分転換や眠気覚まし需要に応える。
爽快感を抑えフルーティーさを押したものなど、女性や刺激感に弱い人にもアピールする商品なども展開。
オランダのペルフェティ・ファン・メレ社による、世界的人気のシュガーレスタブレット。ミントの風味と清涼感が非常に強く、持続性も高いので眠気覚ましや集中力アップの需要も。
「FRISK, sharpens you up」のキャッチフレーズとユーモアのあるCMによって、日本でも爆発的なヒットに繋がったミントタブレットの代表格。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★★★★森永ラムネブランドの新商品と伝わりやすく、ターゲット層にアプローチ◎ |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★★★★☆元の商品の良さを活かし、食べ応え(サイズ)を変えることで大人でも満足感ある。 |
総合評価 | ★★★★★★☆元の商品の良さそのままに、大人が買いたくなる/楽しめる商品に。 |
元の「森永ラムネ」の良さはそのままに、パッケージや商品サイズを大人向けに最適化した一品です。
味など商品の根幹部分は「森永ラムネ」そのままを保ちながら、サイズ・パッケージ・売り場を転換する事で見事に大人層から評価を受けた商品です。
シンプルで甘味料にも配慮された原材料配合、カリッと小気味好い食感、スッとした口どけ、甘酸っぱいのにキツすぎない爽やかな味。
どのポイントも、ロングセラーだけある実力を感じます。
「森永ラムネ」は子ども向けで粒サイズが小さいですが、1.5倍の大粒サイズにする事で大人の大きい口でも食感の良さを損なわず食べ応えや口の中での味の広がりがしっかり出るように配慮されています。
本商品は初回製造時(2018年上期)あまりの反響に販売休止となりました。
そこからも分かる通り、この大粒ラムネは「子ども向けだから」買っていなかった潜在的なターゲット層(大人層)に見事アプローチできたことになりますね。
また、大人に人気のミントタブレットはミント独特の爽快感と甘味料の味が特徴的なので、ミントが苦手な人には「大粒ラムネ」がより好みにフィットするでしょう。
元のロングセラー商品を活かしつつターゲットにしっかりハマった商品設計なので、総合で★6つです。
パッケージや売り場展開といった、「お菓子そのものではない部分」も非常に商品の売り上げに重要なことがわかる一品でしたね。
まとめ
森永製菓の新発売「大粒ラムネ」。
粒サイズとパッケージに変更を加えつつ、根本の商品力を感じる、万人受けするやさしいすっきり感が魅力の商品でしたね。
店頭ではコンビニ始め多くの店舗で売っていましたが、一部で売り切れているところも見かけ、ネット上でも人気が高いようです。気になった方はぜひお試しを!
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