どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
セブンプレミアムより、和風クランチチョコが登場です!
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
!NEW!追記 2017.12.22
2017.12.21に公式サイト上で発表された、コンタミ(異物混入)情報を「基本データ」の項目に追記しました!
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | ほうじ茶クランチチョコ |
製造者 | 株式会社 正栄デリシィ |
名称 | 準チョコレート |
内容量 | 43g |
原材料 | 砂糖、ワッフルコーン(小麦粉、砂糖、ショートニング、その他)、乳糖、植物油脂、玄米パフ、全粉乳、ココアバター、ほうじ茶パウダー、加工でん粉、乳化剤、香料、膨張剤、着色料(アナトー)、(原材料の一部に大豆を含む) |
賞味期限 | |
発売日 | 2017年5月15日 |
発売エリア | ※一部店では取り扱いなし。 |
価格 | 128円(税込) |
商品コンセプト・説明 | ほうじ茶味のチョコレートに玄米パフとワッフルコーンを練り込んだ、ひとくちサイズの和テイストのクランチチョコレートです。ほうじ茶のパウダーが入って、本格的なお茶の香りと味わいをお楽しみいただけます。(公式サイトより) |
備考 | セブンイレブン限定販売、新発売。 |
自社ブランドの商品を多数持つ「セブンプレミアム」より、和風クランチチョコが新登場です!
!NEW! 追記 2017.12.22 ※この件が公式でも落ち着き次第、別の記事にこちらの追記を移す予定です(商品の印象に影響すると思われるため)。
本商品の製造元「正栄デリシィ」の公式サイトより、「商品の自主回収のお詫びとお知らせについて」が公表されました。
これはつまり、コンタミ(異物混入)の発生を知らせるものです。当サイトの本記事にもニュース発表後たくさんのアクセスがありましたので、(食品製造に携わった人間の立場から)この追記を書かせていただきました。
しかし、回収対象の商品のうち実際にゴム片が入っている確率は(経験上)少ないでしょうし、入っていたものが仮に手元に来て口にしてしまったとしても、健康を害することはありません。それについても、下で細かく説明していきますね。お時間がある方は、ぜひ読んでいただけると食品製造に関して少しご理解いただけるかと。
今回の自主回収の対象商品は、大手小売会社のPB(プライベートブランド)、計7品目。対象総数は約212万個。
- ・きなこチョコクランチ(ミニストップPB)
- ・ホワイトクランチチョコ(デイリーヤマザキPB)
- ・いちごクランチチョコ(ローソンPB)
- ・ほうじ茶クランチチョコ(セブンイレブンPB)
- ・フルーツクランチチョコ(セブンイレブンPB)
- ・チョコクランチいちご(西友PB)
- ・ホワイトクランチチョコ(イオンPB)
…とこのように、大手各社のPB商品の製造を担う正栄デリシィの商品の中でも、今回は「クランチチョコ系PB」の商品の7品が対象となっているわけですね。
さて今回のコンタミですが、混入したのは「製造設備におけるゴム製の異物」。公式サイト上にはこれ以上細かい情報は載っていませんでしたが、読売オンラインでは「製造設備で溶かしたチョコを流すポンプ内のゴムが破損していた」との記述がありました(2018年1月4日現在、読売オンラインの記事が削除されたようでリンク切れになっていました)。
製造ラインにはゴム製パッキンなど液体状の原料の漏れが発生しないようにしたり、圧力をかけるために密閉するなど、ゴム製の部品が生産上重要な役割を果たしています。ゴム素材の機械部品は、大型製造機械には外せないパーツですね。
ゴム片のコンタミは実は発生する可能性がそれなりに高く、かつ大規模の回収になりやすいので、これ自体は珍しくない事例かと思います。
なぜなら、ゴムは経年劣化しやすく、特に冬には寒さで縮み上がって負荷が強くなり破損しやすくなるからです。(定期点検・交換していても、見逃しや交換タイミングが遅い、増産で負荷が増えて見込みより早く破損…なんてこともありますし)
そして一度破損があった場合、コンタミ発生に関する消費者の問い合わせを元に、「破損時~破損修復時までにその製造ラインを通ったであろう全ての商品」が回収対象になります。なぜなら、製造した側からも、一体どのタイミングで混入しどれに入っているのか完全に見つけるのは困難だからです。(ゴムは金属検知器に引っかからないので、目視などで検品するしかありません…)
ですが「破損したポンプ内のゴムの上を通ったチョコレートのうちの全てにゴム片が入る」のは現実的でなく、実際に混入したのはごく一部でほとんどは正常な商品でしょう。それでも大規模な自主回収となるのは、「食の安心・安全」を守るためですね。
このような事例が起きた場合には、流通する先や消費者、行政、社内に至るまで情報を速やかに提供し、自主回収などの措置を行います(とても大変…メーカーにとっても損害が大きいです…)
さて、実際に購入した人は、手元にあるけど大丈夫?! 食べちゃったかも!と心配している人もいるのでは?
実際に既に口にしてしまった場合でも、極度のゴム(ラテックス)アレルギーの人やもしくはあまりにも大きなゴムが入っていて窒息の危険が(クランチチョコのサイズからしてまずあり得ないですが)…といったレアケースでない限り、入っていても健康被害は発生しないでしょう。大きな心配はありません。
もしまだ手元にあるならば、公式サイト上に回収用のフォームや問い合わせ先があるので、こちらに連絡してみましょう(リンクより、公式サイトの本件問い合わせ情報トップに飛びます)。
この自主回収がひと段落すれば各商品が(おそらく)売り場に戻ってくるかと思いますが、そうなったらもうコンタミの心配はなくなったという事なので、その際には安心して購入してくださいね!(メーカーでは、一度コンタミが起きると二度と起きないよう、徹底した対策がされるので!)
商品キーワード
新発売、セブンプレミアム、ほうじ茶、クランチチョコ、玄米パフ、ワッフルコーン、和テイスト
やはりここで注目すべきは、「ほうじ茶」「玄米パフ」「和テイスト」というポイントですね!
本商品はセブンプレミアム商品としての発売なので企画はセブン&iですが、実際に開発製造しているのは「正栄デリシィ」という、各種チョコレート菓子を中心とした商品を得意とする会社です。チョコレート単体だけでなく、クランチチョコ、麦チョコなど練り込みをしたチョコレートも得意とし、多数発売しています。
というわけで、こちらはセブン&iホールディングスと正栄デリシィとの共同開発商品となっています(セブン&iでは、このような共同開発企業を多数抱えています。裏面を見ると、実際に作っている会社がきちんとわかるようになっていますね)。
商品自体としては、「クランチチョコ」は、噛んだ時に「ザクッ」と砕けるような食感のあるチョコレート菓子のこと。このザクザク食感は、フィヤンティーヌ(薄焼きクレープを砕いたようなもの)やナッツ、ワッフルコーンなどで表現するのが一般的です。このザクザク食感を持つ練り込みがあるチョコレート、というわけです。
同時発売には「玄米茶クランチチョコ」があり、和テイストクランチチョコとして、ほうじ茶クランチチョコとともに一緒に店頭に並んでいます。
また、セブンイレブンではシニア層(65歳以上)の獲得に力を入れており、他店以上にこうした和テイストのフレーバーの商品が充実しているのも特長のひとつ。
ほうじ茶ラテなど、ほうじ茶フレーバーの商品も期間限定商品として各メーカーから投入されていますが、こうして気軽にコンビニで買えるほうじ茶フレーバーのお菓子ともなれば、好きな人はつい買ってしまいたくなりますよね。(かくいう私も、ほうじ茶フレーバー好きです!)
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2017/5/17 |
購入価格 | ¥128(税別) |
備考 | ― |
コンビニのセブンプレミアム商品の棚部分の下側に、「新発売」のポップと一緒に並んでいました。
何も書かれていないと気付かなくとも、「新発売」と書かれているとチェックしたくなりますよね。特に、たまにしかコンビニに行かない人や普段その棚をチェックしない人にとっては、新商品や人気商品といったポップがあると、より手に取りやすくなります。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
セブンプレミアム統一パッケージなので、ベースの色やデザインは他のものと基本同じ。アルミのチャックなしスタンドパック製(チャックあった方がこの量のお菓子としてはありがたいけど…食べきりサイズってことでなしになったのかな。原価上がるけど女子としてはチャックほしい…)。
全面に印刷入り。表パッケージには、ブランドロゴ、商品名、パッケージ下半分には大きく商品写真が載っています。商品写真は器に盛ったり、ほうじ茶のイメージ写真を使ったりはなくシンプルなもの。
他のセブンプレミアムの商品でもそうですが、書体も写真もシンプルで、ほかの商品によくある「キャッチフレーズ満載な広告感」がないですよね(作ってる立場からするとあれもこれも書きたくなる…でも入れるとチラシみたいなパッケージになっちゃうんだよね。笑)
これだけ潔いデザインでも、やはり「セブンプレミアム」ブランドの安心感があるので買ってしまう!という人、多いでしょうね。(これで知らんブランドとかメーカーだったら、きっと買うかめっちゃ迷う)
で、商品名に「ほうじ茶」「クランチチョコ」と入っているので、どっちかのフレーズにピンと来た人は手に取りたくなることでしょう。特に、一緒に掲示してあった「新発売」のポップなんか見ると、新発売好きは手に取りたくなります!
全面白い背景に、商品説明などは一切入っていないシンプルな表示関連のみのパッケージ裏。
↓栄養成分表示拡大
気になるカロリーは、1袋で226kcal。袋は小さめですが、チョコ菓子なのでカロリーはしっかりありますね。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「ワッフルコーン」「玄米パフ」「ほうじ茶パウダー」とある部分ですね!
最も多く含まれるのは、「砂糖」。ここから、甘みは比較的強めなのがわかりますね。次に「ワッフルコーン」…つまりは、アイスのコーンカップのやつを砕いたもの、それよりは少なくなりますが「玄米パフ」もしっかりと含まれています。(ワッフルコーンの原材料…最後「その他」って丸められてるけど、仕入れ原料の微量要素はその他でまとめて表示するようにしてるみたい!)
キャッチフレーズとして使われているのは「玄米パフ」ですが、実際にはワッフルコーンとの併用で、かつワッフルコーンの方が多く使われています。このことからも、「洋風なワッフルコーンよりも、和風押しでいくために玄米パフをキャッチフレーズに採用した」のだろうことがうかがえますね。
フレーバーの要・ほうじ茶は、「ほうじ茶パウダー」として使われています。これをチョコレートの原料として使い、チョコ生地へワッフルコーンとパフを混ぜ込み、型に入れて成型、という感じでしょう。香料も併用して、風味の増強が図られています。
添加物は、加工デンプン以下の5種類。加工でん粉はよくシーズニングなんかにも多く含まれていますね、よく出てくる。香料や着色料で味や見た目を良くしています。膨張剤は、要はベーキングパウダーですね。
包装
個包装は、なし。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
パフがたっぷり入ったクランチチョコ。
断面にもパフがぎっしり。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
クランチなので、パフがたっぷりと入っています。ワッフルコーンと玄米パフの2種類が練り込まれています。外側からだとどちらかわかりづらいですが、断面部分から見ると黄色がワッフルコーンで白っぽいのが玄米パフでしょうね(原料の色が出るため)。
パフの断面部分などから崩れが出てしまうので、チョコレート表面が少し粉っぽくなってしまっています。
食べるときに少し手や服が汚れてしまうが気になるところ。(個包装であれば手の汚れは抑えられますが、その分包装費アップ…泣)
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
長さ(cm) | 長辺 2.0 | 短辺 1.8 | 高さ 1.2 |
長方形に近い一口サイズ。
上の方はアーチ状のラインになっています。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
ほうじ茶の香りがほんのりとあります。お茶系のフレーバーは香り高さがとても重要な要素。普通にお茶を飲むときでも、「香りを楽しむ」というのがあります。
「淹れたての温かいお茶」は、温度と新鮮な茶葉で香りが強く広がりますが(茶葉そのものを使っているので、味も香りももちろんしっかり出ますね)。しかし、お菓子に加工した後は、「常温でも香りが出て、味もしっかり主張(時にはそのものに負けないほど!)」していないといけないですからねー。(だって、買う側はお菓子にしたらにおいが飛ぶとか、味がそこまで出ないとか、そんなに入れたら原価が―、とか、…知ったこっちゃないしね!泣)
こちらの商品は、香りの点は香料での増強もしてありますね。しかし、そこまで「香料っぽい」においはなく、自然な感じで違和感がありません。
〈食感〉
ザクザク、プチプチとした玄米パフとワッフルコーンの食感が良いですね。たっぷりと入っているので、クランチチョコらしい魅力があります。
一方で、チョコレートはややざらっとした舌触りで粉っぽく、その点が少し気になります。このざらつきの感じは…きなこ系のチョコレートにもよくあるような感じですね。味はもちろん違うんですが、きなこと言われたら信じそうな似た感じの食感です。ほうじ茶がパウダーで入っているので、それによるものかもしれませんね。
〈味〉
香り同様、ほうじ茶の味わいはほんのりです。クランチチョコなので、入っているパフ類の味わいに若干負けているような印象です。
含有量自体も少ないようなので、ほうじ茶の風味自体はかなり控えめでそれほど味は強くありません。食べてすぐにわかるような強さはありませんが、味わって食べればほうじ茶の味を感じることができるでしょう。
ほうじ茶スイーツが好きな方はきっと手軽に買えることもあって、気に入る方が多いかと思います。個人的には、ほうじ茶の風味が少し弱いかな。
パフがしっかりと入っているので、チョコ単体よりも甘すぎず、食べやすいバランスのクランチチョコとなっています。
関連商品
ほうじ茶クランチチョコと同時発売の、セブンプレミアムの新商品。こちらも和テイスト押しで、和風フレーバーの洋菓子となっている。
他社、他ブランドの競合商品
和風のお茶ベースのフレーバーといえば、やはり外せないのは抹茶! 香りや味、色味でフレーバーを表現しやすいのがメーカー・購入者とも人気である理由ですね。
一方、ほうじ茶は抹茶ほど苦味もなく、香り高いのが特長…色味は、茶色系なので抹茶の緑ほどは見栄えはしません。
ほうじ茶プリンやほうじ茶クッキー、そのほかにもアイスなど、洋菓子でも使われることがあります。海外では抹茶は知名度がありますが、こちらは国外ではあまり知られていないのでは?
というわけで、抹茶スイーツほどもてはやされるフレーバーではありませんが、「和テイスト好き!」な方はフレーバー名を見ただけでチェックしたくなる、そんな位置にあるフレーバーでしょう。
〈別ジャンル菓子〉ビスケット、アイス
クリームをサンドした人気ビスケットシリーズ「プチブッセ」より、ドリンクをモチーフにしたちょっとリッチなフレーバーのアイテムが登場。
↓ハーゲンダッツ ミニカップ ほうじ茶ラテ(ハーゲンダッツジャパン)
出す商品どれも大ヒットの人気ブランド「ハーゲンダッツ」より、和風アイス「ほうじ茶ラテ」が登場。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★☆☆☆ブランドによる安定感あり、明快なデザイン。 |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★★☆☆☆ほうじ茶の風味やや弱いが食感良い。 |
総合評価 | ★★★★☆☆☆ほんのりした風味で若干物足りなさあるが、ほうじ茶フレーバーは魅力。 |
ほんのりしたほうじ茶の風味で、甘さひかえめな一品です。
香料と併用したほうじ茶風味チョコレートですが、フレーバーがややぼんやりした印象です。
玄米パフやワッフルコーンの香ばしさが出ているので、その分ほうじ茶チョコの主張は控えめ。もう少しほうじ茶パウダーの含量が多めだと良かったかな?と思います。
パフのプチプチとした食感が良い分、粉っぽい食感が気になる部分もあります。
ほうじ茶の風味がやや弱く少し物足りないので、総合で★4つです。
とはいえ、ほうじ茶フレーバーのお菓子が好きな人は「ほうじ茶チョコ」というだけで喜んでもらえるのでは。
コンビニ販売で、さらに気軽に買える価格なのも嬉しいですね。コンビニの商品はどれも定価販売なので、その分この価格で量も入っているのでお得感があります。
まとめ
セブンプレミアムからの和テイスト商品「ほうじ茶クランチチョコ」。
和テイストフレーバー好きはもちろん、ほうじ茶好きな方はお求めやすい価格なので一度お試ししてみては?
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