どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
本日のお菓子は、【期間限定】小枝プレミアム 濃いチーズ味 です!!
「チーズそのものみたいな甘くないチョコ!?」という小枝シリーズの中でも少し特殊なチョコレートですね!
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
※関連記事
→【期間限定】小枝スペシャリーゼ タルトタタン(森永製菓)商品分析!
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | 小枝プレミアム 濃いチーズ味 |
製造者 | 森永製菓株式会社 |
名称 | 準チョコレート |
内容量 | 35g(数えたところ、9本入り) |
原材料 | 乳糖、植物油脂、デキストリン、アーモンド、脱脂粉乳、チーズパウダー(チェダーチーズ57%)、ココアバター、フィヤンティーヌ(小麦を含む)、食塩、果糖、乳化剤(大豆由来)、香料、カロテン色素、パプリカ色素 |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 小麦・乳・大豆 |
賞味期限 | |
発売日 | 2016年11月8日(火)~12月末 |
発売エリア | 全国(販売ルート:全ルート) |
価格 | 230円(税別)、248円(税込) |
商品コンセプト・説明 | ・「小枝プレミアム<濃いチーズ味>」は、チーズ、チョコレート、ナッツというおつまみの定番を 一度に楽しめる品質となっており、チーズパウダー入りのホワイトチョコにローストアーモンドが入 った、“甘くない小枝”です。(ニュースリリースより) |
備考 | 期間限定発売、ターゲット:20~30代男女 |
スティックタイプのチョコレート菓子「小枝」シリーズより、プレミアムラインの「小枝プレミアム」として、チーズ味の期間限定発売です。
…と言っても、記事公開時点で発売日の期間(12月末)終わってるのですが(汗)。
一記事入魂(笑)&気分が乗ったものから記事にするので、公開がマイペースな当サイトです。
商品キーワード
期間限定、小枝、小枝プレミアム、チーズ、チェダーチーズ、「甘くない小枝」、お酒(ワイン)に合う
やはりここで注目すべきは、「甘くない小枝」「チェダーチーズ」「お酒(ワイン)に合う」というポイントですね!
この商品は、「お酒(ワイン)に合う」という「食べるシーン」をコンセプトの重点にした商品です。
「お酒のつまみを購入して、自宅で呑む」シーンとしては、
- ①従来より一定層いる「晩酌」(1〜2人程度)と、
- ②近年若い世代で特に人気の「宅飲み(2、3人〜)」
とが大きいでしょう。盆正月などの「家族イベント」もありますね。
そしてこの商品は、毎年話題になる「ボジョレーヌーヴォー解禁」に合わせたタイミングでの発売。ボジョレー解禁に合わせ、森永製菓では何種類もの新製品を発売しています。
↓2016年ボジョレー解禁に合わせた、森永製菓の『大人Week』の提案 (ニュースリリースより)
また、このボジョレーヌーヴォーに関して、楽天アンケートにてわかりやすいアンケートがまとめてあったので、それを引用させていただきますね!
要約すると、
- ボジョレーヌーヴォーは、自宅で楽しむ人が多い!(家族と、一人で、友人と、の順で多い)
- (特に若い人にとっては)安価でイベント性が高いので、買いたくなる。(「ボジョレーヌーヴォー解禁!」などのニュースやポップでの露出の高さ、周囲で話題になっている、季節限定感が強い)
楽天リサーチ ボジョレー・ヌーボーに関する調査 より http://research.rakuten.co.jp/report/20141030/
上記の通り、安価でちょっとしたイベント感を楽しめるアイテムが「ボジョレーヌーヴォー」とも解釈できます。
さらに、このようなイベントごとが好きでそれを積極的に楽しむ人は、元々「飲料・食品の新商品情報」を気にしているトレンドに敏感な人でしょう。そうした人は、きっとつまみにも新商品のお菓子(小枝 濃いチーズ味のような!)をチェックする/選ぶ人が普通の人よりも多いはず。
また、ボジョレー解禁に合わせスーパーの特設コーナーにも一緒に並べてもらえるなど、「売り場展開しやすい」という営業から小売側へのアピールポイントにもなります。そういった意味で、この商品は「ナッツ+チェダーベースチーズ+チョコ」という1個で3つを一度に楽しめるチョコの中では特殊品でありながらおつまみ需要とイベント特需両方を狙えるものというわけですね。
ネタとも思える商品内容も、デザインの高級感でしっかりカバーできます。
さて多くの人は、お菓子を食べる時には飲み物をセットにして頂いていることでしょう。それと同様に、お酒には「おつまみ」を合わせる方が大多数のはず。
おつまみには、アルコールで鈍りがちな味覚や嗅覚に合わせた、強めの味・匂いの物がぴったり。塩気や旨味が強い干物全般もいいですね。
そう考えると、「つまみに最適化したチョコレート」とは匂いも味も強く、甘みを抑えたものの方が好まれやすいと言えそうです。
というわけで、この商品は「思い切ってチーズそのものに寄せた味のナッツインチーズチョコ」となっています。
中途半端なチーズへの寄せ方では味がぼやけてしまい、逆に振り切り過ぎるとチョコレート感が潰れて「チョコの必要ある?」となってしまうので、非常に味のバランスを取るのが難しいテーマです。
ともすると、ネタ感満載の安っぽい味になってしまいますしね。
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2016/11/17 |
購入価格 | ¥ |
備考 | ― |
買ってからしらばらく寝かせていましたが…やっとレビュー。
まとめてはいたんですがね。期間限定、プレミアム、リッチ感あるデザイン、人気シリーズからの商品、とコンビニウケしそうなポイントがたくさん。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
ベールのようなシックな濃いブルーの背景に、カットされたチーズ、さらにとろけたチーズが掛けられたなんともシズル感あるデザイン。
「まるでチーズ?!」「新提案」「甘くない!」と一般的なチョコレート製品にはないポイントを押したパワーワードが。広告やマンガなどのアオリのような感じです。この価格帯のお菓子にはあまりない表現ですね。
ですが、パッケージの色味がシックで高級感のあるデザインなので、アオリがあっても安っぽい感じがあまりありません。
金の箔押しで高級感を、右下の「期間限定」の文字で希少さをアピール。
↓パッケージ(裏)
ネイビーの背景に、黄や白の文字が映えます。上4分の1くらいに商品説明、残りは表示関連事項。
裏面には、キーワードとなる物がさらにたくさん書いてありますね。
まずトップには「〜まるでチーズを食べているかのような〜」とあります。多くのチョコレート菓子はチョコレート自体の味を主体にしていて、あくまでフレーバーは風味付け。それに対して、この商品はチーズ寄りに振った味付けという事がイメージできます。おつまみチーズが好きな人なら、きっとこのワードは気になるでしょう。
さらにパッケージ表にも書いてある「おつまみ」需要に関するものとして、「ワインなどお酒にもぴったり」とあります。つまりは、特にワインに注目して設計しました!という事です。言わずもがな、チーズはワインの代表的なおつまみですね。
また、「チョコレート仕立てだからこそ、口いっぱいにとろけて広がるチェダーチーズの濃密でコクのある味わい」と商品説明があります。
上記の言葉からこの商品は「チェダーチーズベースのチーズ風おつまみチョコ」と分かります。
チーズもたくさんの種類がありますが、表パッケージからは分からない重要なポイントがこの裏面に書いてある上記の【チーズの種類】ですね。
皆さん知っての通り、チーズは爽やかな物からクセのある物まで味も香りも非常にバリエーション豊かです。どんなチーズをメインに使っているかよく見ないと、「好みのチーズの風味と違った!!」なんてことになりかねませんね。
チーズ製品を買うときには、「○○チーズ使用」「チーズケーキ味(=クリームチーズベースなのがわかる)」などどんな味かしっかり理解する意味でも、ぜひパッケージをよく見てほしいところ。(特に)
↓パッケージ(側面)
側面は両面ともシンプルで、 箱手前側に開け口、下は賞味期限の印字。
↓パッケージ(上下)
ネイビーベースに、商品名と チーズのイメージイラスト。
↓栄養成分表示拡大
チョコレート製品ではこのサイズだと50g前後の物が多い気がしますが、これは35gとやや控えめボリューム。
カロリーは一箱あたり198calと、やや高め。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「乳糖」「アーモンド」「チーズパウダー(チェダーチーズ57%)」とある部分ですね!
「甘くないチョコレート」がコンセプトではありますが、実際には糖分(甘味度が低い乳糖)が原料のうちもっとも多くを占めます。実際には糖分が最も含まれていますが、甘味度が低い乳糖を使う事で、舌で感じる甘みを抑える工夫がされています。
砂糖(乳糖)、植物油脂、でん粉(デキストリン)と、原材料の上位を占めるのはチョコレートの材料としてはやや劣るものが中心です。このあたりが、この商品の名称が「チョコレート」でなく「準チョコレート」たる理由ですね。
(チーズが高いので、他の材料もこだわるとガンガン原価が上がる!泣)
この商品の味の要「チーズパウダー」はチェダーチーズを57%、その他の種類のチーズをミックスしたものが使われています。パッケージ裏面の商品説明に「チェダーチーズ」の文言が出ているので、表示の関係でチェダーのみがパーセンテージ表示されています。
原材料表示から推測するに、(砂糖、油脂、アーモンド、乳成分が上位に表示されていることから)チーズ自体の含有量は控えめでしょう。「まるでチーズ!?」というワードがパッケージに書かれていますが、原材料をしげしげと眺めると、なるほどこの商品がしっかりとホワイトチョコなのがわかりますね。
そして、小枝の特長である「アーモンド」のダイスカットもイン。
添加物は、乳化剤、香料、着色料2種。香料はこの手の商品にはもはや必須ですね。チーズは比較的単価が高く、少し練りこんだくらいでは香りが充分でないので、こうして香料で増強します。
同様に、チーズの練り込みだけではそれらしい濃いオレンジ色などが出ないので、おいしそうな色にするのに着色料は必須です。(カロテン色素は、チーズ商品によく使われる定番品。)
包装
個包装もチェック。
↓個包装(表裏)
濃淡の異なるオレンジのアルミパッケージ。表には文字がなく、裏には会社名のシンプルさ。ボーダー×ドット柄、そしてチェダーチーズらしさをイメージできるオレンジがとても鮮やかで濃厚感がイメージできます。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
↓包装を開けたところ
開封してみると、トレイに横に入った状態で、サイドに大きめの空きスペースが。あら、なんだかとっても寂しいビジュアル…。パッケージに対して、9本入りは少ない印象ですね。
黒いスタッズ様の底になったトレイ入り。で、なぜこんなにスカスカなのかと言えば、本来はここに小枝が「縦に」入っていたみたいですね。しかしトレイに仕切りがないので容易に1つひとつが動いてしまって、全て「横に」倒れたようです。たぶん、シャカシャカ振るだけでもこうなる。
開けた時の角度にもよるでしょうが、見た瞬間のガッカリ感は否めません。
これ真ん中部分に仕切りが1つあるだけで、開けたときのガッカリは防げたかと。
クリーム色のチョコ生地にナッツのつぶつぶがたっぷり。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉やや黄色味のある淡いクリーム色を帯びたチョコレート生地に、アーモンドが練りこまれています。色味は違いますが、ナッツがしっかりと入っているのは通常の小枝と同じですね。
チョコレートの色が白っぽい分、ナッツが見た目のアクセントとしてしっかり目立っています。ミルクチョコの小枝よりも、ナッツがビジュアル的にも貢献している印象です。
〈サイズ〉ノーマルの小枝よりも若干大振り。ですが、一口サイズで「小枝っぽさ」はしっかり健在。こちらの方がやや大きいので、食べやすさや食べた時の満足感はありそうです。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉かなり強いチェダーチーズ風の香りが内袋開封直後からします。顔を近づけなくてもわかるくらいの強さです。スナックや米菓でよくある「塩気のあるチーズ系菓子の定番の香り」と言ったらわかりやすいかな。
本物のチーズの袋を開封してもここまで一気に匂いは拡散しませんから、当然チーズパウダーの含有量から言ってかなり強めに香料を効かせていそうですね。
ここまで匂いが主張したチョコレートは久々です。手洗いするまでチョコレートを触った手からチーズの香りが取れない、というのはなかなかですねー。
〈食感〉食感は、商品一つひとつが細いこともあり、ソフト寄り。たっぷりと入ったナッツが良いアクセントになっています。
本物のチーズ自体もガリガリとした食感ではありませんから、チーズそのものの食感とも大きなギャップもなく、いいかもしれませんね。
〈味〉チェダーチーズ風の香りが強い分、味も最初にチーズ感を強く感じます。
しかし実際に味わって食べてみると、ホワイトチョコレートの味と甘味が意外に主張しています。
アーモンドも入っているのですが、アーモンドはチーズの香り&味に隠れている印象です。
香りではチェダーチーズを中心としたお食事系のチーズの印象が強いですが、あくまで商品としてはホワイトチョコレートなので、甘さ控えめではありつつもチョコレートらしい甘味があります。
もちろん「小枝 ミルク」のような前面に出た甘さではないのですが、チェダーチーズそのものを食べた時には感じないだろう甘みですね。
そんなわけで、匂いはかなり「甘くないチーズ」をイメージさせますが、食べてみると「ホワイトチョコとチーズ」がそれぞれバラバラに口の中で主張してきます。食べていて少し混乱しますね。ミスマッチ感が否めません。
次々と一気に食べる、もしくは飲酒時に食べてみたら(←未確認ですが)「チーズそのものみたい!」と思えるのかもしれませんが、逆にシラフで味わって食べると、どうしてもホワイトチョコが見え隠れ。
(今回、珍しく1箱完食できませんでした…)
関連商品
商品名通り「小枝のような」ビジュアルのナッツ&パフ入りチョコ。「小枝」シリーズの最もオーソドックスな商品。
人気の「小枝」シリーズより、大人層をターゲットに特にお酒を飲むシーンを狙った商品。アルコール分を多めに含み、オレンジピールがアクセントになっている。
他社、他ブランドの競合商品
チーズ×チョコレートは人気の組み合わせ。特に日本人人気の高い「チーズケーキ」風の味付けのチョコレートは多数発売されています。期間限定物としては、ベリー系と合わせるなどアレンジの幅もあることで人気の素材です。
しかし、甘くないチーズそのものをチョコレートで表現するというパターンはそれに比較して少ないですね。
近年ではチョコレート業界でも高価格帯商品や大人向けの商品企画のものが大人気。大人に照準を合わせた「小枝プレミアム 濃いチーズ味」のようにお酒に合うおつまみ需要に特化した商品も多数発売されています。
〈同ジャンル菓子〉チョコレート
チェダーチーズを練りこんだプレッツェルに、ゴーダチーズを使用したチョコを入れたチーズがふんだんに使われている。「トッポ」シリーズのチーズを前面に押した商品。
「小枝プレミアム 濃いチーズ味」とは、「チーズ」「濃厚」「チョコレート」という共通点がある。
〈別ジャンル菓子〉米菓
うす焼きのせんべいにチーズとアーモンドを合わせた、洋風米菓。三幸製菓のロングセラー商品。
「小枝プレミアム」と同様、アーモンド×ナッツの組み合わせ。しかし、ベースはチョコでなくせんべい。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★☆☆パワーワードとイメージイラスト◎だが、トレイサイズが微妙。 |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★☆☆☆チョコの甘さとチェダー系のミックスチーズミスマッチ感あり。 |
総合評価 | ★★★☆☆パッケージインパクトあるが、味の評価は個人差による。 |
パッケージデザインやコンセプト同様、商品の味・香りが振り切った仕上がりな一品です。
ポジティブな煽り文句に惹かれるが、実際に食べてみると「チョコレートの甘み」と「チェダーチーズの匂いや独特の味」がミスマッチで、食べていて気になります。これで、もし香辛料など「チョコとチーズのつなぎとなる味」がしっかり入っていれば、また少し印象も違ったかもしれません。
香り(香料)が異様に濃いのも少し気になりますね。
この商品は、チェダーチーズが好きかどうかで大きく評価が変わるでしょう。ネット上では、「小枝 濃いチーズ味」で検索しようとすると「まずい」が検索予測ワード上位に上がるくらい、評価に個人差があるようです。(私も正直…開発サイドの方には申し訳ないですがそう思います。汗)
しかし、特にチェダーチーズの味が好きな方、いままでとはちょっと違う「新しいおつまみ」を試したい方には合うでしょう。
上記のように、「チーズの風味の表現」が評価が割れる類の味なので、総合で★3つです。
(官能評価著しく低いのですが…発売時期をボジョレー解禁にかっちり合わせなくても良ければ、もっと完成度を上げられたでしょうね)
チェダーチーズは「クリームチーズなどのチョコレートと相性のいいチーズ」に比べて甘いチョコとは相性が悪いので、これをうまくまとめるにはかなりの試作と微調整が必要で、高いクオリティを実現するには開発が難しいことは容易に想像できます。
このコンセプト自体は「おつまみ需要で大人気のチーズを、チョコレートで再現しちゃおう!」という企画サイドでも立案しやすいテーマなので、今まで以上にこれからも新商品が投入されることでしょう。
(…なんだか今回はレビューが辛口寄りになってしまいました…)
まとめ
ボジョレー解禁に合わせて発売された、大人のためのおつまみチョコ「小枝プレミアム 濃いチーズ味」。
気になるパワーワード満載のパッケージになかなかに攻めた商品設計(味や強い香り)で、振り切った仕上がりでしたね!!
気になる方は、ネットではまだ入手可能なようなのでチェックしてみてはいかかでしょう!
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