どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
本日のお菓子は、【新発売】噛むハーブ ラベンダー&カシス です!!
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | 噛むハーブ ラベンダー&カシス |
製造者 | 株式会社 ロッテ |
名称 | チューインガム |
内容量 | 24g ※数えたところ、23粒 |
原材料 | 砂糖、ぶどう糖、水あめ、麦芽糖、もち粉、植物油脂、カカオ抽出物/ガムベース、酸味料、増粘剤(アラビアガム)、香料、光沢剤、着色料(野菜色素、カラメル、クチナシ) |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 使用していません |
賞味期限 | |
発売日 | 詳細不明。少なくとも、2017年8月上旬頃にSNS上に登場。 |
発売エリア | ー |
価格 | ー |
商品コンセプト・説明 | 商品キャッチコピー: ・ゆったり香るハーブとフルーツのガム ・噛んでフ~っと深呼吸(商品パッケージより) |
備考 | 新発売 |
ロッテの新発売「噛むハーブ ラベンダー&カシス」。
2018年3月現在も販売中ですが公式サイト上には商品ページはなく、ウェブサイトやSNSなどで確認したところ2017年8月上旬から実際に消費者が購入してSNSにあげているようでした。(公式情報やニュースサイトでの情報がないので、今回はデータ少ないです…)
商品キーワード
新発売、ロッテ、ガム(チューインガム)、噛むハーブ、ラベンダー&カシス、リラックス、パッケージデザイン
やはりここで注目すべきは、「ガム(チューインガム)」「噛むハーブ」「パッケージデザイン」というポイントですね!
総合食品メーカーであるロッテから発売された、本商品「噛むハーブ」。ロッテの公式サイト上などにも、商品情報やニュースリリースは載っていませんね。
この商品、パッケージデザインがガムとしては少し変わっていて、パッと見た感じは包装形態からグミやポケッタブルサイズのキャンディのように感じますが、実際にはガムです。ガムはスティックタイプやボトルが一般的ですが、あえてグミやドライフルーツなどと同じ包装形態にして、グミなどを買う層にアピールするためでしょう。
日本のガム業界といえば、チョコレートやスナック菓子など他の菓子類に比べ近年非常に売上の落ちている分野ですね。ガムの機能性のひとつである爽快感や眠気覚ましはタブレット菓子やキャンディも競合しています。
さらに他のお菓子と違って最も敬遠される理由は「食べた後のガムはゴミになる」という点です。食べ終わった後に捨てる手間が好まれず、ゴミの出ない他のお菓子にユーザーを奪われている一面があります。
そうした状況で、この商品は他のお菓子に興味を持っている人の目に留まりやすい包装形態で、「ガム離れ」して他のグミやキャンディを好んでいる人にアピールする狙いが感じられますね。
商品のネーミング「噛むハーブ」が非常にキャッチーで、キャッチコピーからはリラックス効果があるように感じられます。
パッケージもつや消しのクラフト風で、落ち着いた色味にボタニカルデザイン。女性がリラックスタイムに欲しくなりそうな印象です。同社の定番商品「クールミントガム」「キシリトールガム」などと比べると、やわらかい雰囲気のデザインとなっています。
また、フレーバーは「ラベンダー&カシス」。カシスはベリー系で、お菓子の他カクテルのリキュールとしても人気ですね。
そしてラベンダーと言えば、ハーブの一種であり、アロマや芳香剤、香水として日本でも香りづけの定番となっています。
アロマや芳香剤を好むのは女性が多いので、女性が好むものを掛け合わせたフレーバーと言えそうですね。
(ちなみに、以前には同じロッテより「噛むアロマ オレンジ&ラベンダー」という商品も発売されていました。この商品の企画が一部発想の基になってるのかもしれません)
さて、このような特徴のある女性をターゲットとした本商品、チェックしていきたいと思います!
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2018/03/02 |
購入価格 | ¥168 |
備考 | グミと間違って購入。 |
安定のセブンイレブン購入です…笑。
SNSでしかチェックできませんでしたがユーザーの方がこの商品の写真投稿をし始めているのが(私が見た限り)2017年8月。しかし、実際に私がこの商品を目にしたのが、今回購入した2018年3月が初めてでした。
同様に、他の県内セブンイレブンでも見かけました(新潟県です)。しかし、これまで他のスーパー・コンビニで一度も見かけたことがなく、販路や販売地域が限定的であるようでした。
そして、売り場がレジ前エンドでグミと一緒にフック陳列されていたので、グミかと思ってまんまと購入しました(笑)。よく見ると、右上に小さく「ガム」って書いてあるんだけどね!(売り場でパッと直感で選ぶ時って、そこまでまじまじと見て商品選ばないからなぁ…)
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
クラフト風のマットな質感が主体のデザイン。ナチュラル感を演出。
ラベンダーとカシスフレーバーの商品なのでボタニカル(植物)デザインですが、お菓子のパッケージにしては少し特殊ですね。
大抵の商品では味をイメージしやすいよう植物全体でなく「ラベンダーの花だけ・カシスの実だけ」にクローズアップして描かれるので、これだけ葉や茎の分量が多いイラストは珍しいです。
草木や花、緑は癒しのイメージの定番なので、パッケージに用いることで癒しのイメージを出していますね。
キャッチフレーズは「噛んでフ〜っと深呼吸」。学業や仕事などで疲れた消費者の息抜き、リフレッシュ需要を狙ってのものです。そして、食べた感想のところでも書いていますが香りの楽しみ方のコツでもあるようですよ。
全体に、フレーバー選びもそうですがパッケージ内容も女性のリラックスタイムを強くイメージしたものだと分かります。
そして、右上の赤紫の円の中に「ゆったり香るハーブとフルーツのガム」と書かれています。フック穴あり&チャック付きの包装形態からポケッタブルサイズのグミやキャンディ、ドライフルーツなどと一緒に棚に並ぶ上に商品名には「ガム」の文字が入っていないので、こちらに注釈のように書かれているのでしょう。
(ちなみに、私は家族と一緒にこの商品を眺めて、パッと決めましたが2人してグミだと思って買いました!笑。「騙された!」(←言い過ぎ?笑)と思いましたが、でもよーく見るとガムって小さく書いてあるね。「噛むハーブ ガム」って書いてあったら親切だけど、あえてちょっと離して書いてあるのがニクイ…笑)
↓パッケージ(裏)
裏もクラフト風。カシスの実や葉、枝のイラスト。他はパッケージ関連必要事項。
↓栄養成分表示拡大
1袋で、カロリーは75kcal。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「植物油脂」「酸味料」「香料」とある部分ですね!
最も多く含まれる原料は「砂糖」、次いで「ぶどう糖」「水あめ」と続き、糖類が食品部分の原材料の多くを糖類が占めます。
食べた際に似ていると感じた(後述)「ふ~せんの実 ブルーベリー」と、原材料構成もやはり似ています。違うのは、この商品に「植物油脂」が入っていることと、若干の配合割合の違いのみ。植物油脂はラベンダー精油のことでしょう。
そして今回のフレーバー「ラベンダー&カシス」に関わる原料は「植物油脂」「香料」「酸味料」ですね。
本商品ではラベンダーは製油=植物油脂として、カシスは香料のみで風味を出しています。そして、よりカシスらしい味わいにするため、酸味料で酸味を付与。果汁はまったく使われていません。(法的な規制もあるため、同様の無果汁フルーツフレーバーガムはけっこう多いですね)
ガムベースとは噛み終わった後に残る部分のことです。
添加物は、ガムベース以下の6種。ガムは元々添加物の種類が多めですね。
包装
※個包装なし。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
↓包装を開けたところ
捨て紙入り、個包装なし。
↓商品アップ(表裏)
淡い赤紫色で、表面には艶がある。
↓断面(割ってみたところ)
割ってみると、中は白いガム生地。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
艶のある、つるんとした表面の粒ガムです。
淡い赤紫色に着色され、艶もあることで粒ガムらしい食欲をそそる見た目ですね。
そしてこの色味にサイズ感…同じロッテの粒ガムとして発売されている子ども向けの「ふ~せんの実 ブルーベリー」にそっくりです。ベースに同商品の規格が流用されているのかもしれませんね。(当ページの原材料部分でも書いてますが)
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
長さ(cm) | 直径 1.1 |
粒サイズはかなり小さく、小指の先ほどの直径。
ガムの食べ方には個人差があるでしょうが、一度に複数個食べるタイプの人だと、一口に4、5粒ほどは入るのではないでしょうか。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
開けた瞬間に爽やかなカシスの香りがします。香りが強いのは、やはり香料で出してあるからでしょう。ガムらしい香りの強さですね。
ガムはフルーツ系フレーバーでも無果汁の商品が多いです。こちらの商品も、フレーバーはカシス(とラベンダー)ですが、果汁は含みません。香料のみです。
ラベンダーの方の香りは、カシスの香りに隠れて食べる前にはわかりません。
〈食感〉
外側のコーティング部分がややパリパリとした食感とともに割れ、中は少し歯ごたえがあり固め。
しばらく噛んで味がなくなってくるくらいの頃には、やや固い歯ごたえがあります。ガムベースの部分ですな。
最初よりも最後の方での歯ごたえが強く感じます。
〈味〉
最初に強めにカシスの香り、甘み、ほんのりした酸味が口の中にサッと広がり、やや遅れてラベンダーの香りがします。
カシスの味自体はしませんが、香りが付けてあるので甘み・酸味がカシスらしい味わいに感じられます。(香りの効果はやはりすごい!)
一方のラベンダーは、鼻に抜ける香りと共にやや苦みのある爽やかな風味がします。舌で楽しむのでなく、鼻に抜ける香りを愉しむのが向いています。「深呼吸」とパッケージに書いてある通り、深く息をしないとラベンダーの香りがしっかり香らないので、ラベンダーの風味を楽しむには呼吸に集中すると良いでしょう。ハーブらしいスッキリ感があるのがわかります。
少し気になったのは、ラベンダーは芳香剤系で定番の香りとして使われるので、アロマの習慣がない男性なんかでは「芳香剤の香り」というイメージがどうしても湧いてしまうだろうことですね(この商品に関心を持つのはほとんどが女性だとは思いますが…!)。
家などでラベンダーの香りの芳香剤・消臭剤を使っていたりすると、そのことがイメージされてしまい純粋に味・香りを楽しむことができない場合もあるかと思います。(実際、SNS上ではそのような感想が散見されました。私の夫もやはり同じ感想。)
この商品の味の評価は個人によって相当差が出るでしょう。
全体の印象として、食べる前に鼻で感じる香りはカシス優勢なのですが、噛んだ後の鼻に抜ける香りはラベンダー感が強いです。
食べた後のカシスの主張がやや弱いですが、それでもフルーツの香りがあることで、ラベンダー単体よりも食べやすくなっているかと思います。
ラベンダーをフレーバーに使っているので、やはり人を選びそうな味ですね。
関連商品
リニューアルしたロッテの女性向けブランド「グラマティック」シリーズのガム。「香りで吐息をメイクする」をキャッチフレーズに、女性にアピールした華やかなビジュアルの商品。
子ども向けのチューインガム商品のロングセラー。小さなブルーベリー味の粒ガムで、本ページで紹介している「噛むハーブ ラベンダー&カシス」とは色味やサイズ感、原材料構成が似ている。
他社、他ブランドの競合商品
粒ガムは、定番ガムの形態のひとつ。手につまんで簡単に食べられ、手が汚れづらいので気軽に食べられるのが特徴ですね。
粒ガムの他、板ガムも携帯性に優れロングセラーブランドも多数あります。特に、「歯に悪い」イメージから転換して「歯に良い」イメージを定着させた、キシリトールガム」、爽快感や眠気覚ましをうたった「ミントガム」が人気となっています。
一方フレーバーである「ラベンダー&カシス」ですが、カシスはベリー系のため、そこまで採用率は高くないですが万人受けします。
それに対して、ラベンダーは特に女性人気が高くリラックス効果があるとして好まれますが、食品のフレーバーにはあまり採用されません。ハーブとしては、ラベンダーよりもミントの方がガムやキャンディなどでのフレーバーとして定番の人気となっています。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★★☆☆他のガム、グミと一味違うボタニカルテイストの落ち着いた色味、デザイン目を惹き◎ガムと気付きづらい商品名・文字配置△ |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★★☆☆☆ラベンダー強すぎずカシスの香りと相まって意外と食べやすい。 |
総合評価 | ★★★★☆☆☆人選ぶ味だが、ラベンダー好きに刺さる。コンセプト徹底している。 |
売り場まで計算に入れた、女性向けの商品企画が徹底された一品です。
近年目立つ「ガム離れ」。これに対しガム以外のお菓子を購入しているユーザーに対して、明確にアピールしている商品です。グミやキャンディの売り場に配置しやすいパッケージにしてあるのもそのためでしょう。
ターゲットは、ガム離れしてグミやキャンディを購入している、ハーブやリラックスに関心のある女性です。
商品そのもののポイントとして、カシスの万人受けする味わいに対してラベンダーは特徴のある香りと清涼感を持つので、人を選ぶ味ではあるでしょう。ですがこの商品を買う人はそもそもラベンダーが好きでしょうから、ピンポイントで刺さるニッチな商品と言えそうです。
カシスと組み合わせてラベンダーもキツすぎないレベルに抑えてあるので、芳香剤感は強くなく食べやすいレベルです。
ガムとわかりづらいが徹底したコンセプト、個性的な味で総合で★4つです。
よく見ないで買った後に私のように「あ、ガムだった!」と気づいた人…私以外にもいるようですね。SNS上で、「グミやソフトキャンディだと思ったらガムだった!」と複数の人が書き込んでいるのが見られました。やはりグミと一緒に並んでいると、グミかと思ってしまいますね。
あえてパッケージ右上に小さく「ガム」と書かれてはいますが、商品名の「噛むハーブ」やフレーバー名の近くにガムと書かれていないのはやはり間違い購入のもとで、消費者に対して不親切でしょう。あえてそれを狙ってあるのはわかりますが、買う側からは賛否両論だと思います。私はおもしろいと感じましたが、この手の(間違い購入狙い)商品が乱立してくるのは嫌ですね。笑
まとめ
ロッテの新発売「噛むハーブ ラベンダー&カシス」。
「ガム離れ」した層に働きかける、徹底コンセプトの商品でしたね。
かく言う私自身「ガム離れしている」「女性」「フックタイプのグミを(比較的)好む」と、まさに商品のターゲットにドンピシャで、見事に数年ぶり(!)にガムを自ら(間違ってですが…)購入しました。笑 もしガムと知っていたら購入しなかったでしょうから、売り場やパッケージ設定によって別のお菓子を好む層にもしっかりアピールできることを身をもって実感しましたよ!
ガムについて考える良い機会になった気がします。
今回コンビニで購入しましたが、公式ネットショップの他通販サイトにも売ってなかったので、店舗で見かけたら手にとってみて下さい!
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