どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
本日のお菓子は、【期間限定】アーモンドプレミオ ロゼシャンパン仕立て です!!
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | アーモンドプレミオ ロゼシャンパン仕立て |
製造者 | 九州グリコ株式会社(販売者:江崎グリコ株式会社) |
名称 | チョコレート |
内容量 | 12粒 |
原材料 | 砂糖、アーモンド、全粉乳、カカオマス、ココアバター、植物油脂、乳糖、ローストミルクペースト、ラズベリーパウダー、還元でん粉糖化物、洋酒(ロゼシャンパン)/ 乳化剤、香料、膨張剤、(一部に乳成分・大豆を含む) |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 乳成分・大豆 |
賞味期限 | |
発売日 | 2018年1月2日(火) |
発売エリア | 全国 |
価格 | OP |
商品コンセプト・説明 | フルーティなロゼシャンパンにほのかに漂うラズベリーを加え、華やかなあじわいに仕立てました。上質なひとときが楽しめる大人のためのアーモンドプレミオです(公式サイトより) |
備考 | 新発売、期間限定、有名パティシエ監修 |
グリコのナッツチョコレートブランド「プレミオ」に、期間限定で「アーモンドプレミオ ロゼシャンパン仕立て」が新登場。
商品キーワード
新発売、期間限定、グリコ、アーモンドプレミオ、ロゼシャンパン仕立て、ラズベリー、辻口博啓氏 監修、イベント特需(バレンタイン)、高価格帯
やはりここで注目すべきは、「ロゼシャンパン仕立て」「辻口博啓氏 監修」「イベント特需(バレンタイン)」「高価格帯」というポイントですね!
グリコのナッツチョコレートシリーズ「プレミオ」で、アーモンドを使用したチョコレートである「アーモンドプレミオ」。ナッツチョコレートは、チョコレート系の製品では定番となっていますね。日本の大手メーカーによる人気ブランドも複数ありますが、なんと言ってもアーモンドチョコレートを大手メーカーでいち早く手がけたのはこのグリコです。
長年のナッツ加工技術によりナッツの「フライド製法」を編み出し、それはこのアーモンドプレミオにも用いられています。アーモンドをフライしてキャンディコートを施した独自製法であり、この技術が最も他社製品と異なる差別化ポイントと言えますね。
さて、今回のフレーバーは「ロゼシャンパン仕立て」。ロゼシャンパンとは、特殊な製法を経て作られたバラ様のピンク色と香り、果実味を持つ希少で高価なシャンパンです。
それを今回は世界的有名パティシエ・辻口博啓氏を監修に起用し、昨年同様に既存ブランドの高価格帯商品として打ち出してきました。昨年はシャンパンのみでしたが、今回はロゼシャンパンが新しく仲間入りですね。
「ロゼシャンパン味」でなく「仕立て」なので、アーモンドプレミオをロゼシャンパン風味に仕上げます!という事になってるでしょうかね。あくまで「仕立て」でそのものズバリの「ロゼシャンパン味」でないのがポイントかと。
製品には実際にロゼシャンパンをチョコレート生地に練り込み、ラズベリーでフルーティーさを出しています。
また、今回は発売時期がバレンタインシーズン中(2月14日前後)の製造発売となるので、バレンタインによるイベント特需も狙っている商品ですね。多くの人は普段使いにデパートや専門店のチョコは買わないと思いますが、バレンタインとなれば話は別。スーパーでバレンタイン用チョコを購入するとしても、普段よりも高いお値段のものを選んでいる事でしょう。
女性の中では特に送る数の多い「友チョコ」用で500〜1000円前後が平均額のようですが(楽天リサーチ2017より)、これで行くとちょうどこの商品の価格は税込518円(後述)。スーパーやコンビニで買える商品としては高価格帯ですが、「友チョコなどを身近な店舗で気軽に買いたい」という需要に合致していますね。
というわけで今回は注目キーワードがたくさんですが…!それも、この商品の特徴であり狙いがあってのところですね!
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2018/01/16 |
購入価格 | ¥518(税込) |
備考 | ― |
コンビニやスーパーでも、新商品だけあって目立つ位置に配置されていましたね。私が最初にこの商品を見たのはスーパーでしたが、このピンクの華やかなパッケージは遠目にも目を惹きましたよ。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
↓パッケージ(表・フィルムあり)
今回のパッケージでは、外側の透明フィルム包装にもプリントがされています。
フィルムの一部に文字やイラストが印刷されており、内側のパッケージと共に1つのデザインとなっています。具体的にいうと、商品イメージ写真、白いリボンとそのリボン上の文字、シーリングワックス風に書かれた「スペシャルフレーバー」の文字ですね。
このデザインだとこの商品専用のフィルムを発注することになるので包材費が若干アップしますが、フィルムに印刷されていることで無地フィルムの物よりもデザインがしっかり見えますね(特に反射で見えづらいというのが減ります)。
フィルムへの印刷の効果で、帯状に入ったこの印刷に載っている「商品写真、帯自体、商品名&監修者名、人物シルエット、シーリングワックス風イラストの部分」がより目に入ってきやすいですね。紙の印刷が透けている部分は、反射などもありあくまで背景のように見えるからでしょう。(写真ではわかりづらいですが、だいぶ質感・色の濃さが紙とフィルムでは違います!)
フィルムに印刷された商品写真が飛び出して(手前にあるように)見え、立体感に近いものを感じます。華やかなデザインで色味も明るく女性の好むピンクゴールドで、女性への贈り物に喜ばれそうなデザインですね。
↓パッケージ(表・フィルムなし)
フィルムを剥がすと、だいぶ印象が違いますね。シンプルです。
ロゼシャンパン の注がれたグラス、そして商品のイメージ写真が前面に出たデザインに変わります。
文字がなくなった分、商品名、グラスイラスト、商品写真それぞれにしっかり目がいくようになりますね。背景の迷彩柄も視認しやすいです。フィルムありを見慣れるとちょっと物足りない感じ(?)も感じますが。
左下のラズベリーのイラストと「華やかな香り広がる今だけの味わい」の文字もちゃんと目に入ってきます。
↓パッケージ(上下)
ピンクの迷彩柄を背景に、上には商品名、下にはバーコード・連絡先情報・栄養成分表示。
↓パッケージ(側面)
側面はピンクの迷彩柄背景に商品名のみ。
↓栄養成分表示拡大
大粒なので、2粒食べるとそれでだいたい92kcalとやや高カロリー。ナッツチョコは元々カロリーが高くなりやすいので、1箱だと552kcal。というわけで、1人で食べるなら最低でも2回に分けたほうがいいでしょうね!
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「ラズベリーパウダー」「洋酒(ロゼシャンパン)」とある部分ですね!
最も多く含まれる原料は「砂糖」、次いで「アーモンド」、「全粉乳」と続きます。
アーモンドが一粒そのまま入っているチョコレートなので、当然表示順位的にアーモンドが上位に上がっていますね。
「カカオマス」「ココアバター」の含量は多めで植物油脂は少なめ。
「ローストミルクペースト」が含まれていますが、これによってチョコレートにキャラメルのようなクリーミーなコク感が付与されているかと思います。
「還元でん粉糖化物」は耳馴染みがないですが、還元水あめのことで、おそらくこれはキャンディコート部分に使われる原料ですね。
このフレーバーの要となる原料は、「ラズベリーパウダー」「洋酒(ロゼシャンパン )」です。
洋酒中の100%がロゼシャンパンであり、これがチョコレートに練りこまれています。商品全体にするとシャンパンの含有量は0.1%以下となっていますから、子どもが食べても心配なく、入っているかどうかハッキリわからない、というレベルの量ですね。
また、ロゼシャンパンにはフルーティな味わいがあるので、それを表現する「ラズベリーパウダー」も同様にチョコレートに練りこまれています。
添加物は、乳化剤以下の3種類。製品そのものに大きく関わる部分としては、香料を入れることで、ロゼシャンパンの華やかな香りを増強しています。
包装
個包装もチェック。
↓外箱を開けたところ
黒いトレイに入ったピンクゴールドの個包装が目にも鮮やか。
↓個包装(表裏)
よく見ると、個包装にはグラスのイラストが入っている。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
なめらかなチョコレート表面には、ライン入り。
中心にアーモンド、その周りにキャンディコート、さらにその周りがチョコレートでコーティングされている。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
ぱっと見は通常のアーモンドプレミオと変わりません。底面が平らな楕円形に、表面には浅くラインが入っています。
カットしてみると、中央にアーモンド、そしてその周りにキャンディコート。これはアーモンドプレミオの特徴ですね。商品キーワードのところでも触れましたがグリコ独自の「フライド製法」というアーモンドをフライしてキャンディコートを施したものです。キャンディコートは写真だと分かりづらいですが、実際に見ると黒っぽく艶があります。
さらにその周りをチョコレートでコーティングしてあります。
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
長さ 全体(cm) | 長辺 3.3 | 短辺 2.2 | 高さ 1.5 |
長さ ナッツのみ(cm) | 長辺 ー | 短辺 1.3 | 高さ 0.8 |
ナッツの長辺は、カット後で正確な長さを出すのが難しかったので計測なし。同様にキャンディコート層も厚みの計測はなし。
1粒そのままアーモンドが入ったチョコレートなので、大きめの一口サイズ。楕円形ですね。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
ふわりとロゼシャンパンを思わせるフルーティな香りがします。シャンパン香料も使われていますが、香料を使用した商品の中でも香りはやや控えめの部類でしょう。
チョコレートらしい香りもあり、それもほんのりとした感じですね。香り方が上品なレベルなので、嗅覚が弱かったり風邪気味、もしくは鼻炎があると香りを上手く感じられないでしょう。
実際、うちの家族6名で確認したところ、60代になる2名はシャンパンの香り・味を感じられませんでした。(何度やってみても。ちなみに嗅覚は、個人差はあるが年齢と共に下がると言われています…)
〈食感〉
チョコレートは他の商品とほとんど変わらないややソフト寄りの食感ですが、キャンディコートされたナッツの食感が印象的ですね。パリッとしたキャンディ部分の食感が加わることで、よりパンチのある食感に仕上がっています。普通のアーモンドチョコレートに比べるとその分ハードめの食感になっていますが、カリ、パリ、サクサク、とキャンディコート層とナッツが割れるたびにしっかりとした歯ごたえがあるのが良いですね。ナッツ/チョコレートだけではない食感が加わることで新鮮さがあり面白いです。
多くのアーモンドチョコレートはナッツにロースト加工を施してありますが、フライド製法による効果がしっかりと食感に出ていますね。
なめらかなチョコ、パリッとしたキャンディコート、カリカリのアーモンド…食感の変化が楽しめます。
〈味〉
ほんのりとしたシャンパンの風味が鼻に抜けますが、非常に繊細なので集中しないとロゼシャンパンの味を感じ取りにくいです。ミルクチョコレートはオーソドックスな味わいでミルク感や甘みも特徴的ではありませんが、食べやすい味ですね。
シャンパンの味自体は「含有量0.1%以下」となっている事からもわかる通りかなり薄いので、チョコレートそのものの持つ風味に負けている印象です。香りがあってこそすんなりと「シャンパン風味」を感じられるのであって、舌で実際に感じるシャンパンの味はかなり薄いです。
ベリーの爽やかな後味は、シャンパンのフルーティさを印象づけ華やかな味わいにする効果があるかと思いますが、これもまたほんのりとしています。しかしそのほんのりでも、こちらはしっかりと後味の爽やかさとキレの良さに隠し味的に貢献していますね。
また、アーモンドの香ばしさ、キャンディコートの甘みはしっかり出ています。ナッツらしい香ばしさ・自然な甘みがチョコレートの甘みと合わさって口に広がるので、その点ではやはりナッツ×アーモンドは相性が良いことを感じられますね。
全体的に、お菓子らしいデフォルメが効いた味というよりは繊細な造り、と思えます。
「この繊細さ(薄味的表現)でロゼシャンパンの風味を感じ取れるのは果たして消費者のどれだけの割合だろう」という気がしますが、実際買った人はきっと味自体より雰囲気や香りで満足される事でしょう。
本当の意味でこのロゼシャンパン0.1%を感じ取り、さらにその「0.1%の風味で満足」してくれる人はより少ないと言えるのではないでしょうか。
とりわけロゼシャンパンの味自体が薄めなので、香りの効果を得られない分嗅覚が弱い人は味をあまり感じられないでしょう。この商品の味をしっかり感じるには、匂いが非常に重要でしょうからね。
(ちなみに私含めウチの家族大人5名+子ども1名試食しましたが、「うーん、普通」という感想ばかりでロゼシャンパンをあまり感じ取れず。フルーティさを感じられたのは、香りでは子ども1名含む4名、味では2名だけでした。60代の2名はやはりロゼシャンパンの味も香りも感じられず…年齢による感じ方の差はありそうです)
関連商品
グリコの「アーモンドチョコレート」の流れを汲んだ、アーモンドの独自加工が特長。フライしたアーモンドとキャンディコートにより、他にはない食感を実現した。
「アーモンドプレミオ ロゼシャンパン 仕立て」と同日発売された、期間限定の新フレーバー。こちらもパティシエ・辻口博啓氏監修。
他社、他ブランドの競合商品
ナッツ×チョコレートは、非常に好相性の組み合わせ。ナッツとカカオそれぞれの特徴の異なる香ばしさが合わさることで、香り高さが倍増し食感の楽しさも増えます。ナッツは種類によって味わいや香りが異なるので、それにどのようなチョコレートを合わせるかで味のバリエーションも豊富にあります。大手チョコレートメーカーでも各社人気ブランドを抱えていますね。
一方「ロゼシャンパン」フレーバーはというと、比較的高価なシャンパンである事から商品数は非常に少ないです。よく風味付けに用いられるのは洋生菓子の分野で、中でも火を通さないムースなどと相性が良く華やかな風味なので、この分野では好まれていますね。
〈別ジャンル菓子〉スナック菓子
ロングセラーのスナック菓子ブランド「キャラメルコーン」より、店舗&期間限定で発売のシャンパン風味。しゅわしゅわとした食感が楽しめる新感覚の味わい。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★★★☆明るく華やかなパッケージで目をひく。 |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★☆☆☆☆パッケージと価格に比べて、ロゼシャンパン風味弱いためインパクトに欠く。 |
総合評価 | ★★★☆☆☆☆パッケージと価格の特別感に比べ、味物足りない。 |
パッケージ・価格による期待感に比較して、ロゼシャンパンの風味が薄い一品です。
今回の商品は、バレンタインの贈答需要を満たすのも企画上の大きなポイントだったかと思います。
そのため、ピンクゴールドの華やかなパッケージ、500円前後とバレンタインチョコとして絶妙な価格帯、有名パティシエを監修に起用、ロゼシャンパン仕立て、とキャッチーなポイントが多数盛り込まれていますね。
そして実際の商品には、グリコが誇るアーモンド加工技術が用いられ、カリッとした食感とパリパリのキャンディコートが独自の食感と味わいを生み出しています。
チョコレートにはロゼシャンパンが100%使用され、フルーティな香りとラズベリーの甘酸っぱい後味。上品です…しかし、ロゼシャンパンらしさが添加量に応じていかんせん弱いので、集中して食べないとその味わいを舌で感じ取るのは難しいでしょう。ロゼシャンパンは商品中に0.1%以下ほど含まれますが、お酒が苦手な人や子どもでも問題なく食べられるほどの微量です。
何の気なしに食べると、通常品との違いに気づかない人も(味の上では)少なくない事でしょう。香りは香料を数滴垂らせばいくらでも簡単に補正できますが、舌で感じる味自体は簡単にごまかせません。だからこそ、もう少し多めにロゼシャンパンを添加して(0.5〜1%くらいはあってもいいのでは)舌でも特別感を楽しめる商品になっていれば良かったかなと思います。
高付加価値系の商品設計だが、ロゼシャンパン風味弱く価格ほどの価値に疑問なので総合で★3つです。
以前食べた辻口博啓さんのプチガトーの味わい深さにとても感動したのですが、価格や製造面でかなり制限のある今回のような大規模生産では、できないことも多いですしね。
これは舌で楽しむより、鼻で楽しむ商品でしょう。
まとめ
グリコの期間限定「アーモンドプレミオ ロゼシャンパン仕立て」。
華やかさがありながらもロゼシャンパン自体の含量は少ないので、舌よりも鼻で楽しむ全年齢向けチョコレートでしたね。
しかしバレンタイン向け商品で500円前後と絶妙な価格なので、限定モノが好きな人への気軽なバレンタインチョコとしては向いているかもしれません。
話題性は間違いなく抜群なので、話の種にお試しもありかもですね。
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