どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | ビスコ 焼きショコラ |
製造者 | 販売者:江崎グリコ株式会社、製造者:関西グリコ株式会社 |
名称 | ビスケット |
内容量 | 15枚(5枚×3パック) |
原材料 | 小麦粉、砂糖、ショートニング、植物油脂、ココアパウダー、加糖練乳、乳糖、カカオエキスパウダー、モルトエキス、全粉乳、食塩、でん粉、小麦たんぱく、ミルクシーズニング、乳酸菌/炭酸Ca、膨張剤、香料、カラメル色素、乳化剤、調味料(アミノ酸)、甘味料(スクラロース)、V.B₁、V.B₂、V.D、(一部に乳成分・小麦・大豆を含む) |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 乳成分・小麦・大豆 |
賞味期限 | |
発売日 | 2018年2月20日(火) |
発売エリア | 全国 |
価格 | OP |
商品コンセプト・説明 | 特長: ・ビタミン、カルシウム、乳酸菌の入った、おいしくて体にやさしいクリームサンドビスケット。 ・なめらかで口どけのよいチョコクリームをサンドし、香ばしい風味と華やかな薫りが楽しめるチョコビスケットです。(PR TIMES プレスリリース記事より抜粋)・乳酸菌を1億個配合したなめらかなチョコクリームを、香ばしいチョコビスケットでサンドしました。凝縮したチョコの味わいを楽しみながら、乳酸菌もとることができるお腹にやさしいクリームサンドビスケットです。※ビスコには、おなかにやさしい乳酸菌が1億個(5枚当たり)入っています。さらにカルシウム、ビタミンB1B2 ビタミンDもたっぷりです。(公式サイトより) |
備考 | 新発売 |
グリコのロングセラーシリーズ「ビスコ」より、「ビスコ 焼きショコラ」が新登場。
商品キーワード
新発売、グリコ、ビスコ、焼きショコラ、クリームサンドビスケット、チョコクリーム、子どもから大人まで、CM、すべての女性の「もうひとがんばり」を応援
やはりここで注目すべきは、「焼きショコラ」「CM」「すべての女性の~」というポイントですね!
大手食品メーカーであるグリコの代表的なお菓子の一つである、「ビスコ」。1933年発売の超ロングセラーです。
この商品と言えば、小さなリアルテイストの男の子のキャラクター・ビスコ坊やのイラストがついたパッケージが目印ですね。日本の子供向けお菓子の定番として、多くの方が子ども時代に食べたことのあるビスケットです。
さて、今回のフレーバーは「焼きショコラ」。乳酸菌入りチョコクリームをココアビスケットでサンドした商品となっています。ビスコの特長である、乳酸菌配合でおなかにやさしい、という部分がしっかりと入っていますね。
そして他のビスコと最も異なる点は、ココアを練り込んだ黒いビスケット生地。これまではプレーンのビスケット生地を使ったものがメインでしたが、この商品のように今後はビスケット生地のバリエーション展開も盛んになるかもしれませんね!
そしてこの新商品登場に合わせて、深田恭子さんを起用した新CMも放映が開始しました。放送頻度も高かったですね。きっとこのCMを見て「買いたい!」と購入された方も多いはず。
このCMは、「ビスコでもうひとがんばり」がテーマとなっています。バッグから取り出した(=つまり家ではない場所で)ビスコを食べる深田恭子さんの映像から、「働く女性のオフィス菓子(職場のおやつ)」をイメージしやすくなっていますね。「もうひとがんばり」というキーワードも、やはり仕事や家事、育児などをイメージさせます。
現在同ブランドでは、「すべての女性の『もうひとがんばり』を応援」と公式ページにも書かれている通り、成人女性を意識した商品設計・販促が行われているようです。
現代では少子化傾向から子どもだけをターゲットにした商品では先細りになるのは間違いありません。なので、こうしてこれまで子ども向けとされていた商品も続々と大人向けの商品を追加していく流れになっています。大人向けに完全に転換するのではなくフレーバーや「大人の○○」などとして追加しているのがポイントです。
この「ビスコ 焼きショコラ」もそうで、子どもより大人受けが良いでしょうね。いつもと雰囲気の違うちょっとオトナなビスコ…要チェックです!
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | ドラッグストア |
購入日 | 2018/3/10 |
購入価格 | ¥116(税込)、¥108(税別) |
備考 | ― |
他のフレーバーのビスコと同じ価格の販売でした!ちなみに、家族が気に入ったので2回目の購入です。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
ビスケットの濃い茶色の色味を活かした、濃茶×青の落ち着いた色味のパッケージ。他のビスコはプレーン(クリーム色)のビスケットのイラストをメインとした明るい色合いなので、この商品だけ少し大人っぽい印象ですね。
ブランド名と商品名、5代目ビスコ坊やのイラストはビスコの基本デザインに則ったもの。焼きショコラの場合、特に「ビスコ 発酵バター仕立て」のパッケージと似ています。ビスケットの並べ方が発酵バターの方とは違いますね。焼きショコラのパッケージでは、ランダムにビスケットが並べられています。
右下の商品イラストではクリームの部分が見えるデザインで、食欲をそそります。
また、今回購入した商品はキャンペーン告知のイラストや文章の入った特別版。なので、通常版だとこのピンクと黄色のイラスト部分がなくなり、よりシンプルなデザインになります(公式ページで確認可能)。
↓パッケージ(裏)
裏面全体にキャンペーン情報!大規模なキャンペーンであることがわかります。
↓パッケージ(上下)
パッケージ上部にキャンペーン情報、下に賞味期限の印字や問い合わせ情報。
↓パッケージ(側面)
裏面にキャンペーン情報を持ってきた分、パッケージ関連の必要事項は側面部分に。
↓栄養成分表示拡大
1パック(5枚入り)を食べると、カロリーは109kcal。カルシウムやビタミンが摂れる事も書かれています。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「ココアパウダー」「カカオエキスパウダー」「乳酸菌」とある部分ですね!
最も多く含まれる原料は「小麦粉」、次いで「砂糖」、「ショートニング」、「植物油脂」と続きます。ビスケットなので小麦粉が最も多いですね。油脂類は、ビスケットの基本原料であるバターの代替として主にショートニング(焼き菓子の生地によく使われる)が使われています。
ビスケットなどの焼き菓子はショートニングを使う事でさっくりと焼き上がり、コストカットにも効きます。
「ミルクシーズニング」はあまり聞きなれない原料ですが、簡単に言うと「ミルク風味の素」みたいな感じで色々な素材が組み合わさった物です。ノーマルのビスコにも使われていて、原材料表記上はまとめ表記になっています。
ビスコの特徴として、原料に「乳酸菌」のほか、ビタミン類が添加されています。これは「この商品を食べるとこの栄養が摂れますよ!」というアピールポイントのために入れてある原料ですね。
さて、今回のフレーバーの要となる原料は「ココアパウダー」「カカオエキスパウダー」。
ビスケット部分には、濃く黒い色味が特徴のブラックココアが使われているでしょう。これは焼き菓子などの練り込みでよく使われ、黒々した魅力的な色味に仕上がります。ココアパウダーには苦味があるので、ほろ苦い味のもととなるものですね。
そしてクリーム部分には、カカオエキスパウダーが練りこまれ、チョコレート風味のクリームに仕上げてあります。
添加物は、炭酸Ca以下の10種。ビスケットを膨らます膨張剤、香り増強の香料、チョコクリーム部分の茶色系着色・カラメル色素、など。カルシウムやビタミン類は、食品表示の関係で添加物表示となります。
甘い焼き菓子には「調味料(アミノ酸等)」の表示はあまり見ませんが、原料に含まれる「ミルクシーズニング」の構成原料でしょうね。(「甘味料」もおそらく同様)
包装
個包装もチェック。
↓外箱を開けたところ
パッケージを開けると、個包装3個入り。
↓個包装(表裏)
アルミそのままのシルバーのベースにパッケージ同様青で「ビスコ」の文字とハートマーク。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
↓包装を開けたところ
個包装にぴっちりとビスケットが入っている。5枚入り。
↓商品アップ(表裏)
針穴と外側の波形のカットで、ビスケットらしいビジュアル。
↓側面、クリーム面
側面からはサンドされたクリームが見える。開いてみると、楕円形にクリームが入っている。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
他のビスコとは異なる、黒っぽい濃い茶色のビスケットと薄茶色のクリームが特徴的です。
ビスケット部分はこの色味からブラックココア(濃く黒い色が特徴で製菓でよく使われる)が練り込まれていることがわかります。クリーム部分は(全材料表示から)カカオエキスパウダーが練り込まれ、クリームの色味もチョコレートらしい色味になっています。クリームの方にはカラメル色素での着色がされているでしょう。
これまでのビスコといえば多くはプレーンのビスケットで、クリームの種類を変えることで味に変化を出していました。
そのため見た目でのフレーバーの違いはサンドされて少し見えるクリーム(例えばいちご味ならピンクのクリーム)からしかわかりませんでしたが、この商品はビスケット全体がココアとカカオエキスによって色が着いているので、一目でココアやチョコレート系の商品だとわかり、見た目も本格的に感じられます。
ビスケットの形は長方形で、ふち部分は波型、生地に穴が空けてあります。ビスケット自体のデザインはシンプルです。
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
全体(cm) | 長辺 4.0 | 短辺 2.2 | 高さ 1.2 |
ビスケット単体(cm) | 長辺 4.4 | 短辺 2.2 | 高さ 0.6 |
クリーム部単体(cm) | 長辺 3.0 | 短辺 1.6 | 高さ 0.2 |
縦に長い一口サイズ。女性や子どもでも1、2口で食べられる大きさですね。
クリーム部分は厚さ約2mmで、楕円形に広がっています。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
ほろ苦さのあるココアの香りと、香ばしいビスケットの香りがします。焼きあがったビスケットのやや乾いた感じの香り、クリーム部分の甘いチョコレートの香りもします。
他のビスコは甘い香りがメインですが、この商品はやはりココアが使われていることもありビターな香りがします。香料は使われていますが、違和感を感じないレベルの強さで、自然です。
〈食感〉
ソフト寄りのビスケットで、パイ生地のようなさっくりとした食感です。歯の力をそんなに入れずとも噛める固さなので、サンドしてあってやや厚みがあるものの、固さを感じずに食べられます。
ビスケットの部分は外側はしっかりとザクっと歯ごたえがあり、内側はホロホロとした生地で口どけも良いですね。
まるでパイ生地そのもののようなサクサク感は、ビスケット生地を何層にも重ねて延していくことで実現しています(公式サイトの「ビスコの製造工程」を見ても確認できます)。どうりで、パイのような食感と思ったわけですね。(子どもの頃に食べた時は、ここまで食感なんて気にしてなかったもんなぁ…笑)
クリーム部分はなめらかで舌に触れるとゆっくりと溶けます。
ビスケットもクリームもソフト寄りで口どけが良いので、子どもはもちろんソフト食感のお菓子が好きな大人にも好まれそうですね。
〈味〉
全体の甘さ・香ばしさの中にビスケット部分のココアのほろ苦さ、クリームのほんのりとしたチョコレートの味わいが楽しめます。
ココアやチョコレートが素材として使われていますが、子どもも食べられるレベルの味わいでこれを「苦くて食べられない!」という人はほぼいないでしょう。
口に入れて一口噛むとザクっとしたビスケットの食感とともに、ココアのほろ苦さのあるビスケットの味わいが口に広がります。ビスケットはやや甘みが強めな分、ココアが良いアクセントとなっています。適度な苦みがあることで、味が「甘み」主体ではなくなり飽きが来づらくなっていますね。
特に大人にとっては、ビター感があることで食べやすく感じるでしょう(甘さ控えめのお菓子を好む人は、特にこの種の苦みは好ましく感じるかと思います)。
食べ進めると少しずつクリームの味が口に広がり、中味くらいで一気にクリームの主張が強くなります。クリーム部分はミルク感強めでカカオの苦みはほとんどなく、とてもクリーミー。
後味では、ふたたびビスケットの味わいが強めに出てほろ苦さとクリーム感が合わさり、徐々に弱まっていきます。
ビター感がある事で後味のキレが良く、口どけも良いので食べ終わりは意外とさっぱりとしています。油脂にバターでなくショートニングや植物油脂を使用しているので、コクよりもあっさり感が強めですね。
2個、3個と食べたくなるようなあっさりめのココアビスケット×チョコクリームの味わいです。食感が軽く適度な苦味で食べやすいので、やはり大人層に受けが良さそうですね。
関連商品
グリコのロングセラービスケット。幼児向けの商品設計で、乳酸菌などからだに良い成分を配合し、おいしく栄養を摂れるお菓子として根強い人気のシリーズ。
↓ビスコ シンバイオティクス ブルーベリー&ラズベリー味(グリコ)
「ビスコ」シリーズの派生新商品(2018年)。乳酸菌に加え食物繊維が摂れる事をアピール。手軽に朝食を摂りたい、栄養素も気になる、という忙しい現代人の朝食需要に対応。
他社、他ブランドの競合商品
クリームサンドビスケットは、クッキーやビスケットの分野の中でも食べ応えがあり人気ですね。他社からも人気シリーズが発売され、定番商品となっているものも。
また、ビスコのようにターゲットが子ども中心となっているロングセラーブランドは、軒並み「大人向け」としてビター、アルコール、こだわり、濃厚、高級感などを出した派生商品や新フレーバーを展開しています。どれもブランド力が高いこともあって一定以上の安定したヒットとなっています。
一方の「焼きショコラ」、つまりチョコレート風味と言えば、この商品のようにビスケットだけでなく、クッキー、ケーキ、アイス…と多くのお菓子に引っ張りだこの大人気素材。果てはポテトチップスにまで使われるほどです。
その中でもオーソドックスなミルクチョコレート系の商品は、万人受けすることもあり多くの商品のフレーバーとして採用されています。この商品のように「○○ショコラ」というフレーバー名になっていることも多いですね。
通年販売に向く、人を選ばないフレーバーです。
〈同ジャンル菓子〉ビスケット
世界中で愛されているビスケットブランド「オレオ」の日本製後継商品である「ノアール」。オリジナルのオレオとは異なり、食感などが日本向けに改良されている。ブラックココア入りビスケットとバニラクリームの飽きの来ない味わいが魅力。
〈別ジャンル菓子〉チョコレート
森永製菓の「手が汚れにくい」焼きチョコ製品「ベイク」。英語のベイク=焼く、という意味で、体温や気温によってチョコレートが溶けることがなく、おいしく食べられるのが特長。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★★☆☆レギュラー商品と統一したデザイン、かつ大人も手に取りやすいカラー◎ |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★★★☆☆さっくりした食感、子ども向けにとどまらない絶妙なほろ苦さで連食性高い。 |
総合評価 | ★★★★★☆☆かつてビスコシリーズに親しんだ人も戻りやすい、ちょっぴり大人向けのパッケージデザイン・味◎ |
シリーズ中ではちょっぴり大人向けの商品設計、ほろ苦さのある一品です。
子どもを中心とした商品展開を行ってきた、ビスコシリーズ。「ビスコ 焼きショコラ」では「おいしくておなかにやさしい」という乳酸菌配合による商品メリットやパッケージデザインの基本はそのままに、デザイン、CM、フレーバーで大人層にアピールする商品となっていますね。
まず1つ目、パッケージカラー。商品そのものの色味である黒とやや暗めの青を主体とした色味は、他の同シリーズの商品のパッケージカラーと比べ落ち着いた印象です。
2つ目、CM、公式サイトデザイン。深田恭子さんを起用したCMでは「すべての女性のもうひとがんばりを応援」というテーマで、これまでの「こどもからおとなまで」よりも明確に大人層(特に成人女性)にアピールしています。このCMで「大人になったけどビスコを久々に食べようかな」「新商品(焼きショコラ)が出たみたいだし買ってみたいな」という気にさせます(特にターゲットである成人女性に訴求)。
そして3つ目、フレーバー。今回採用された焼きショコラでは、ブラックココアビスケット×チョコレートクリームの組み合わせで、子どもより大人が好むほろ苦い味わいがあります。今までの印象と異なる黒いビスケットのビジュアルも、子供向けの印象の強かったビスコとは一味違う、と感じさせますね。
ですがほろ苦い味といっても子どもが食べられるレベルの苦みなので、比較的小さな子でも安心して食べられます。
ほろ苦い味わいと大人も買いたくなる商品デザイン、PRなので総合で★5つです。
我が家ではCMを見て、さっそく20年ほど同ブランドの商品を買っていなかった人間が久々に購入してきましたよ!黒いビスケットもほろ苦い味わいも気に入ったそうで、これまでのビスコの印象が変わった、と言っていました。
小さい子どもがいない家庭では同じようにこのブランドは少し縁遠くなっていたでしょうが、本商品の味やCMはそのような人でも買ってみたくなる仕上がりでしたね。
まとめ
グリコの新発売「ビスコ 焼きショコラ」。
CM効果もあり、子どもだけでなく大人も食べたくなる商品でしたね。ココアやチョコレートが入ることで甘さが適度に控えられ、食感も良いので食べやすい商品です。
スーパーやコンビニ、ドラッグストアまで多くの店舗で販売されているので、気になった方はぜひお試しを!私は久々のビスコでしたが、懐かしさもあり美味しくいただけましたよ。
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