どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
トランプのクイーンをモチーフに、グリーンのパッケージが目を惹きます。
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
※関連記事
→【期間限定】ダース プレミアム フルーツ&ナッツ(森永製菓)商品分析!
→【期間限定】ダース ラズベリーショコラ(森永製菓)商品分析!
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | ダース ピスタチオ |
製造者 | 森永製菓株式会社 |
名称 | チョコレート |
内容量 | 42g |
原材料 | 砂糖、植物油脂、カカオマス、全粉乳、ココアバター、乳糖、脱脂粉乳、ピスタチオペースト、デキストリン、バターオイル、ホエイパウダー、ヘーゼルナッツペースト、食塩/乳化剤(大豆由来)、香料、ベニバナ黄色素、クチナシ青色素 |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 乳 |
賞味期限 | |
発売日 | 2016.11.29~12月末 |
発売エリア | 全国 |
価格 | 250円(税別)、270円(税込) |
商品コンセプト・説明 | 「ナッツの女王」ピスタチオは、宝石にも例えられる美しい黄緑色が特徴。 ピスタチオの香ばしさの中にもまったりとしたコクのある上品な味わいと芳醇なミルクチョコレートのコンビネーションをお楽しみください。(公式サイトより) |
備考 | 期間限定商品、ターゲット…20-40代女性 |
人気の一粒チョコ「ダース」シリーズより、ワンランク上の限定商品「ダース ピスタチオ」が新発売。
商品キーワード
期間限定、ダース、ピスタチオ、2品連動パッケージ
やはりここで注目すべきは、「ピスタチオ」「2品連動パッケージ」というポイントですね!
「ダース」シリーズは、1粒チョコの代表的商品。チョコレート商品「ダース」の英語表記「DARS」はこの商品の造語で、本来の「単位としてのダース」の英語表記は「dozen」となっています。このシリーズの特徴は、その商品名にある通り「12粒入り」であること。この記事で紹介する商品「ダース ピスタチオ」も個包装となってもきちんと12粒入りです。
ピスタチオは、商品パッケージにも書いてある通り別名「ナッツの女王」と呼ばれています。ナッツの中でも上品な味わいと、その鮮やかな黄緑色は他にはない特長。多くのナッツはクリーム様の色合いなので、色合いだけを見ても他のナッツとは別格というところですね。
さて、このパッケージは「トランプのQ(クイーン)」「グリーンカラー」でまとめられた、印象的なもの。「2品連動パッケージ」としてニュースリリースでも紹介されており、同時発売の「ダース マカダミア&ラングドシャ」とは対になるパッケージデザインとなっています。
2つを並べると、「見切れているデザインにの各トランプのイラストが完成する」という趣向を凝らしたものになっていますね。テーマカラーも、赤と緑で合わせるとクリスマスカラーに。
最近ではこういう「シリーズの同時発売2品を並べると1枚絵のようになる」デザインのパッケージが流行っていますね。店頭でも目立ちます。
ちなみに、2016年1月にも「ダース」シリーズから同様の商品「ダース ピスタチオガナッシュ」が限定発売されていました。そちらとは、ナッツピスタチオフレーバー、トランプのデザインという共通点はありつつも、今回の新商品では、①個包装、②2品連動パッケージ、という新しい試みがなされています。
↓参考画像・「ダース ピスタチオガナッシュ」(ニュースリリースより) ※期間限定商品として、2016年1月19日から投入されていた
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | 郊外型ショッピングモール(イオン) |
購入日 | 2016/12/14 |
購入価格 | ¥ |
備考 | ― |
赤(マカダミア)と緑(ピスタチオ)のパッケージを並べると「イラストがつながる」企画になっているので、売り場でも2パッケージを並べてイラストが完成するように配置されていました!
やはりクリスマスカラーなので、時期(クリスマスシーズン)も相まって目に留まりますね。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
深みのある独特のグリーン、そしてトランプのイメージイラストが印象的です。濃い色を採用していますが、原色ではないニュアンスカラーで派手すぎず上品。
チョコのイメージイラストの下に「標準12粒」(=1ダース)、「ピスタチオ3.2%」との記述。
トランプのイラストですが、こちらの商品は横に広い形を活用してパッケージ右側に大胆に(=とても大きく)トランプのイメージイラストを配置しています。商品パッケージの限られたスペースでは、パッケージサイズが小さいほど載せるイメージを厳選しなければなりません。なので、これはとても思い切ったサイズですね。
多くの商品は、表パッケージに「商品名」「商品イメージイラスト」「フレーバーイメージイラスト」の3つのみが載っています。情報量があまりに多いと、「どこ見ればいいの⁉︎」って初見で迷ってスルーされちゃいますからね。(商品サイズがさらに小さいと、商品名のみの場合も。サイズ的に他の要素が入れられない)
でもこの商品の場合は、さらに「トランプのイメージイラスト」が入るのでごちゃっとしたデザインになりそうなものですが、それぞれの「配置」によってすっきりと見やすいですね。
また、写真撮影の際のテクニックでもありますが、このように画面(ここではパッケージ本体)から見切れるようにトランプを配置することで、立体感や奥行きを感じられる、スケールの大きなデザインになります。
そして、この見切れたトランプの端部分が「2品連動パッケージ」として同時発売の「ダース マカダミア&ラングドシャ」のパッケージ左側のトランプイメージイラストとつながって1枚の絵になるわけです。
↓2品連動パッケージ(並べた場合) ※ニュースリリースより
パッケージカラーの緑と赤の対比も店頭で目立ち、単体では色の割に落ち着いたパッケージなのに、合わせるとクリスマスカラーでにぎやか・季節に合った印象です。
非常にデザイン性の高いパッケージですね。
↓パッケージ(裏)
パッケージ裏面には、左半分を商品説明やキャンペーン情報、右半分に表示関連事項。「商品説明とイメージイラスト」の表示の構成はオーソドックスですが、パッケージ全体を占める背景色とイメージイラストはグリーンに統一され、直感的にもインパクトのあるデザイン。
↓パッケージ(上下)
パッケージ表と同様にパッケージの上下を合わせると、実はこちらも「組み合わせて1つの王冠が出来上がる」連動デザイン。普通に食べる分には気づかないようなところまで、非常に凝っています。
大半の人は気づかずにそのままなのでしょうが、何と言っても1つの商品のパッケージが決まるまでにはとてもたくさんの人とアイディアや思惑と…色々絡まり合ってますからねー。
↓パッケージ(側面)
パッケージ側面は、商品名と賞味期限の印字。側面のデザインはシンプルですね。
↓栄養成分表示拡大
成分表示自体は1粒あたりなので、どれもかなり小さな値。これだとよくわかりませんが、1箱あたり(12粒入)に換算すると、以下の数値に。
重量(ひと箱あたり商品重) | 42g |
エネルギー | 252kcal |
タンパク質 | 2.4g |
脂質 | 18g |
炭水化物 | 20.4g |
食塩相当量 | 0.06g |
内容量が控えめなのもありますが、1箱食べても意外とカロリーが低いですね。
↓原材料表示部分拡大
ここで注目すべきは、原材料に「植物油脂」「ピスタチオペースト」「バターオイル」「ヘーゼルナッツペースト」とある部分ですね!
この商品の要であるナッツ・ピスタチオは、ペーストとして採用されており、さらにこれよりも含量がかなり少ないと予想されますがヘーゼルナッツペーストも併用されています。ピスタチオの表示順位、他の原材料と比べてやはり相対的に低いですね。フレーバー素材としては、より表示順位が上な方が「味が濃厚・素材を贅沢に使っている」という事がザックリと言えるのですが…。
まぁ、ナッツに限ったことではありませんが、何種類か併用することで単品で使うよりも味わいや香りに深みがでる場合もありますね。(しかし、ピスタチオペーストの含量が少なく併用となると、やはり風味の弱さを補強するイメージかな…)
植物油脂はナッツの加工に使われているものなのか、それともチョコレート本体にココアバターと併用してチョコを作る際の油脂分として使われてるのかちょっと分かりませんが…植物油脂の含量がかなり多いですね。
バターオイルは、普通のバターと比べて水分量が少ないのが特徴。チョコレートなどの水分が悪さをするような菓子に使われたりします。
その他、乳化剤、香料とチョコレートで定番の添加物に加えて、着色料が使われていますね。こういった「ピスタチオの黄緑色」を鮮やかに表現するにはピスタチオペーストのみではほぼ出ない(色が薄い、くすむ)ので、着色料で鮮やかな色を表現しています。
実際に(例えば、ホームメイドのお菓子でも)試作してみると本当に実感することですが、素材本来の色そのままを出すのって難しいんですよね。
贅沢に素材を使ったのに色くすんでて、「あんなにたっぷり練り込んだじゃん!!」って事よくある。笑 なので、手作りでも「食紅」なんかで色付けした経験がある人も多いはず。
包装
個包装もチェック。
↓外箱を開けたところ
パコッとフタを開けてみると、中もなんとも鮮やかなグリーンの個包装!
裏ぶた部分には、トランプにまつわる小話。
チョコレートに絡めて、トランプのクイーンやキングに関するお話が。この部分には商品の説明や消費者へのメッセージが書いてあるものが多いですが、このような創作要素のある物は逆に少ないですよね。
箱からチョコレートをすべて取り出すと、パッケージの底部分には「いいこと、12コ。」の文字と、「ダース」シリーズの商品名の由来について。
↓個包装(表裏)
パッケージ同様、微妙なニュアンスのある深いグリーンの個包装。「DARS」の文字入り。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
幅広の台形、表面に「DARS」の文字。
常温保存でしたが、カット時に割れが発生。(ミルクチョコ層は薄い板状になっているので、カットの衝撃でパリンと割れちゃいました。)
見辛くなってしまってしまってスミマセン!
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉一見するとオーソドックスな「ダース」と変わらない台形のミルクチョコに「DARS」の文字の書かれたシンプルな見た目。これだけだと、「ダース ミルク」との違いが一見わからない。
しかし、カットしてみると中のピスタチオチョコレートの鮮やかな黄緑色が目に飛び込んできます。イメージ写真と同様、目でもピスタチオの上品さを楽しめますね。ただし、ピスタチオペーストのみでは色が出ないので着色料が使われています。
〈サイズ〉通常のダース同様、小さ目の一口サイズ。中にピスタチオガナッシュがある分、よくある板チョコと違って厚みがあります。やや小さ目。このサイズなら私だったら2、3個一気にイケそう。
外側のミルクチョコ層は薄く、ほとんどはピスタチオチョコ。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉ピスタチオの上品な香ばしい香り、ミルクチョコの甘い香りがあります。香りはそこまで強くはありませんが、ピスタチオが好きな人ならばすぐにわかる、特徴的なナッツの香りですね。こちらも香料は使われていますが、不自然さや甘ったるい感じはありません。
〈食感〉厚みもあるのでポリポリとした歯ごたえのある食感。一気に噛むとボリ!となかなかの音が。厚みもあるのでもう少しやわらかめの方が、強い歯ごたえがなくなり食べやすいでしょう。
口どけはやや良いです。
チョコレートの固さは保存温度に大きな影響を受けるので、気温が低い冬場は当然チョコレートも固くなりがちですね。この時期のチョコレートは低い気温に合わせて固くなり過ぎない「口どけの良い商品」が限定品として多数発売されていますが、その冬期限定チョコの中で言ったらこの商品は断然固め。
また、肝心のナッツはペーストとして入っているのでチョコ全体がなめらか、よくあるナッツインチョコのような「カリッと」した食感は当然ありません。
〈味〉ピスタチオの味は、濃厚さは少なく味わって食べることで楽しめる感じです。食べた瞬間に「ピスタチオ濃すぎ!!」ってくらいのガツンと来る風味を期待していたのですが、何の気なしに食べたら「なにか香ばしいチョコ」で終わりそうな…そんなごく控えめな味わいです。
口に入れて最初に下に触れるのはミルクチョコで、その後噛む事でピスタチオチョコが出てきます。それもあって、最初はミルクチョコ、しばらくするとだんだんピスタチオの風味をじんわりと感じる事ができます。
これはピスタチオの含有量が「3.2%」と低いこと、ペーストである(ナッツそのものが入っているわけではない)こと、外側生地が普通のミルクチョコだったこと、など関係しているでしょう。
これがもっと「ピスタチオペースト」の含量が多くなっていたり、ダイスカットピスタチオなど「ナッツそのもの」が入っていたらもっと風味や食感が良かったのでは。
ピスタチオ自体が上品でやや控えめな風味なので、チョコレートと定番の組み合わせ・アーモンドやピーナッツと比べて、主張はそこまで強くありません。そのため、ミルクチョコの風味にやや負けている印象になってしまっていたかな、と思います。
半分にカットした物を食べた時の方が、より香りの広がりがよくピスタチオの風味が楽しめました。カットすることでピスタチオチョコの断面が、(1か所ずつではあるが)外側に出ますからね。その1か所でも香りや味の感じ方が全く違いますよ。そのまま普通に1粒食べるよりも、しっかりとピスタチオの香ばしさ・香りが口に広がります。
関連商品
ダースシリーズの最も代表的な商品。12粒入りで、よくある板チョコ形状の包装だが板でなく粒にしっかり分かれているのが特長。
人気の「ダース」シリーズより、「ダース ピスタチオ」と対になっている期間限定のナッツを使った個包装チョコ。
クラッシュナッツを採用し、ラングドシャの食感でアクセントを付けている。「ダース ピスタチオ」とともに、2品連動パッケージの企画になっている。
ダースシリーズの期間限定で発売された上級商品。生クリームをふんだんに使いカカオ豆の産地にもこだわってあり、香りと口どけの良い商品に仕上がっている。
※当サイト上の関連記事
ダースの期間限定商品。甘酸っぱいラズベリーとほろ苦いカカオの味わいの対比が際立つ。
※当サイト上の関連記事
→【期間限定】ダース ラズベリーショコラ(森永製菓)商品分析!
他社、他ブランドの競合商品
ナッツを使った商品は、チョコレートでは定番。その中でピスタチオは、他のナッツよりも味や香りが上品で黄緑色の美しい色合いを持っています。
しかし、そんな特長を持ちながらも大衆向けお菓子の採用はそう多くはありません。
それはピスタチオ自体が、(ナッツの世界最大の生産量をほこる)アーモンドと比べれば価格が高く生産量も少ないので、価格面・供給面でも採用が厳しい背景のためです。(たとえたくさん練り込んでいい味が出来ても、それで採算が取れなければ、その商品が発売されることはまずありません。)
だからこそその分、ピスタチオは大衆向け一般商品の素材として、よりプレミア感やリッチ感を演出できます。
〈同ジャンル菓子〉
「ダース ピスタチオ」と同じく、森永製菓の「チョコボール」シリーズより、通常品よりもワンランク上の新商品。同時期発売&同メーカーからの商品に同じフレーバー(ここではピスタチオ)が採用されることはよくありますね。
〈別ジャンル菓子〉
↓ハーゲンダッツ スペシャリテ ピスタチオ ベリー(ハーゲンダッツジャパン)
人気の「ハーゲンダッツ」シリーズより、ナッツを使ったワンランク上のアイスクリーム。宝石のようなカッティングのパッケージ、商品自体も〈グリーンのピスタチオアイス、鮮やかなベリーのソース、グラハムクッキー入りチョコレートアイス〉のリッチな多層構造。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★☆色合いとトランプのイメージイラスト、インパクト◎ |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★☆☆ピスタチオの風味あるが、ほんのりした味 |
総合評価 | ★★★☆☆パッケージ良いが、対してピスタチオの風味不足あり |
パッケージデザイン、商品設計ともにテーマ性があり(カラー設定・トランプモチーフ・ピスタチオ)、デザイン性の高い一品です。しかし、一方で商品自体のピスタチオの風味不足があり、物足りなさが否めませんね。
上記のパッケージの項目でも細かく触れていますが、2品連動パッケージとカラー設定、トランプのモチーフと、工夫の凝らされたパッケージが非常にクオリティが高いです。
肝心のチョコは、ピスタチオのナッツらしい香ばしさもありますが、フレーバーの要であるピスタチオ含量がパッケージにもある通り「3.2%」と控えめです。味わって食べないとピスタチオの味が十分感じられないという難点が。
パッケージの期待感に対して、商品自体のピスタチオの味わいがやや弱くインパクトに欠けるため、総合で★3つです。
パッケージが非常に凝っていて魅力的だっただけに、ピスタチオの風味もトータルでもっと底上げして欲しいところ。
しかし、ピスタチオ好きな人にはこちらの商品は高評価でもあるようです。やはり好きなフレーバーの商品があると、嬉しくなるものですよね。
まとめ
森永製菓の人気商品・「ダース」。その中でもワンランク上の商品「ダース ピスタチオ」は、ピスタチオペーストを使った市販菓子として貴重な存在。
お試しするならば、カットして食べてみるとよりピスタチオの風味が味わえますよ! ナッツの中でもピスタチオがお好きな方は、ぜひお好みの味か実食にてご確認を。
・
・
・