どーも!食べ研です。元企画開発部員のティーがお送りします。
今日も好き勝手に市販商品を分析していきたいと思います。さっそく見ていきましょう。
基本データ
まずは基本データから。
商品名 | ひねり揚 うま辛ラー油 |
製造者 | ぼんち株式会社 |
名称 | 油菓子 |
内容量 | 75g |
原材料 | 生地(小麦粉、コーンスターチ(遺伝子組換えでない)、米粉、食塩)、植物油脂、ラー油シーズニング(食塩、粉末油脂、粉末しょうゆ、ぶどう糖、たん白加水分解物、その他)、膨張剤、調味料(アミノ酸等)、香料、香辛料抽出物、パプリカ色素、(原材料の一部に乳成分、小麦、ごま、大豆を含む) |
原材料中に含まれるアレルギー物質(27品目中) | 乳成分、小麦、ごま、大豆 |
賞味期限 | |
発売日 | 2017年12月4日(月) |
発売エリア | 北海道、東北、東京、神奈川、千葉、茨城、甲信越、北陸、東海、近畿 |
価格 | 108円(税込)、100円(税別) |
商品コンセプト・説明 | うま辛ラー油味のひねり揚げです。独自の製法で挽いた米粉を使い、さっくりとした口どけのよい食感に仕上げました。ピリッとしたラー油の辛味と、ごま油の旨みが味わえます。(公式サイトより) |
備考 | 新発売、店舗限定(セブンイレブン) |
セブンプレミアムの「ひねり揚」シリーズの新アイテム、「ひねり揚 うま辛ラー油」が新登場です。
商品キーワード
新発売、セブン&アイ、セブンプレミアム、PB、ぼんち、ひねり揚、うま辛、ラー油
やはりここで注目すべきは、「ぼんち」「ひねり揚」「ラー油」というポイントですね!
セブン&アイのPB(プライベートブランド)、セブンプレミアムから発売されている、「ひねり揚」シリーズ。商品名の特徴としては、<ひねり揚げ>でなく、<ひねり揚>で送り仮名の「げ」が付かない事ですね。小麦粉ベースの生地を植物油脂でカラッと揚げ味塩を掛けたもので、類似品を多く持つ人気のスナック菓子です。
今回はPB商品ですが、製造を行っている「ぼんち株式会社」が作る「綱揚あられ」が生地としてはおおむね同様の商品です。
さて、今回の「ひねり揚 うま辛ラー油」は、その味変え商品ですね。(生地配合の細かい変更もあるかもしれませんが、基本は同じ)
「ラー油」とは、唐辛子などの香辛料を植物油脂で加熱することで得られる、香辛料の香味を有した油のことです。特有の強い辛味が特長で、餃子のタレなんかではおなじみです。
ラー油を使った代表的な商品、桃屋の「食べるラー油」(辛そうで辛くない少し辛いラー油)から始まった「(食べる)ラー油ブーム」は多くの人が知っているところですね。ブームに乗って、食品業界でも同じような食べるラー油商品に加え、総菜、菓子も多数発売されました。
ブームがある程度落ち着いた現在でも、ラー油フレーバーの商品は定期的に新商品として発売されています。
今回の「ひねり揚 うま辛ラー油」は商品説明から、ラー油の持つ辛味はもちろん、ごま油の旨みもポイントとなっているようです。ラー油系の商品は辛味が強いものが基本ですが、その中で旨味などどのような工夫がなされているか、注目ですね。
製品購入データ
こんな場所で実際に購入しましたよー。
購入店舗 | コンビニ(セブンイレブン) |
購入日 | 2017/12/24 |
購入価格 | ¥108(税込) |
備考 | ― |
発売日から20日ほど経ってからの購入でしたが、私が住んでいる新潟地区(と言ってもごく限られた地域ですが…)ではこの日に初めてこの商品が陳列されてるのを見ました!
今回は販売地域もやや限定的なので、店舗導入率はやや低いかもしれませんね。
製品チェック
パッケージ
それでは、パッケージから見ていきましょう!
セブンプレミアムシリーズの基本に則ったシンプルなパッケージ。セブンプレミアムのロゴが入っています。
背景色は黄色であたたかみがある印象ですね。パッケージのほとんどを商品画像が覆っていて、中央上部にやや小さめの細い書体の文字で「ひねり揚」の商品名が。
キャッチフレーズは「クセになる辛さとうま味」。
左下の赤みがかったオレンジの円の中に「うま辛ラー油」とフレーバー名が書かれています。商品名と比較しても大きめの文字で、目立ちますね。
パッケージ下に内容量とカロリー表示も書かれています。
↓パッケージ(裏)
裏面は白ベースでシンプル、全面パッケージ関連必要事項。
多くのNB商品(メーカーの自社商品)には裏面に商品説明が付いていますが、反対にPB商品にはほとんど商品説明がない物が多いですよね。シンプルなキャッチフレーズがあるくらいでしょうか。
↓栄養成分表示拡大
1袋75g入りで、カロリーは434kcal。カロリー、カップ麺以上ですが揚げ菓子ですからそれなりですね。カロリー高いものは、基本うまい。(笑)
↓原材料表示部分拡大
写真がちょっと見づらいですが…ここで注目すべきは、原材料に「ラー油シーズニング」「香辛料抽出物」とある部分ですね!
今回の裏面表示では、まとめ表記が多く使われていますね。「生地」と「ラー油シーズニング」のあたりです。
最も多く含まれるのは、まとめ表記で「生地」、これは小麦粉をベースにコーンスターチ(とうもろこしでんぷん)、米粉、食塩が含まれます。いくつかの素材が組み合わされているのは味はもちろん、食感の良さを出すためです。使う原料の組み合わせによって、生地の膨らみ方や口どけまで違ってくるんですよ。コストカットも重要な点ですね。
揚げ菓子なので、表示順位2位は「植物油脂」。この揚げ油も、会社によって使う油脂の種類が違ったりいくつかをブレンドしていたりします。
さて、今回のフレーバー「うま辛ラー油」の要となる原料は、「ラー油シーズニング」「香辛料抽出物」ですね。
ラー油シーズニングとは、要は「ラー油味の素」みたいな感じで、これを掛けるだけでラー油味がある程度再現できちゃう物です。仕入れ原料ですね。
塩、醤油、砂糖、うま味調味料といった味付けに使う一般的なものと、「粉末油脂」…今回はラー油フレーバーなので、おそらくごま油が使われているでしょう。
香辛料抽出物は、香辛料から辛味成分を人工的に抽出したもの。今回はラー油フレーバーなので、ラー油を作る際に主に使われる「唐辛子」から抽出された「唐辛子エキス」あたりが使われてあるかと。(唐辛子の辛味成分が凝縮されていて、少量でもものすごい辛味と刺激性が凝縮されてます!)
これが入ることで、パウダーではぼやけがちな鮮烈な辛味を表現できます。けっこうスナック菓子や米菓によく入ってますね。
添加物は、膨張剤以下の5種。生地を膨らませる膨張剤、味や香りに作用する調味料・香料・香辛料抽出物、色味を表現する色素が使われています。
季節限定フレーバーを中心に、スナック菓子や米菓はシーズニングが使われている商品がたくさんありますよ。裏面など見てみると、同じように「シーズニング」と書かれているものを見かけることも多いでしょう。
包装
今回は個包装なし。
商品実物
実際のお菓子がこちら。
アルミ蒸着の袋の中にたっぷりと商品が入っている。
上掛けパウダーによって、オレンジがかった色になっている。
〈外観(見た目・サイズ)〉
〈見た目〉
細かく網目のようにねじれのあるスリットが入り、まるで綱そのもののような細長い形が特徴的です。この特徴的な見た目が「ひねり揚」のネーミングの由来となっていますね。
きつね色の焼き色が食欲をそそります。米菓やスナック菓子は、このような焼目があることで見た目が良くなることはもちろん、実際に香ばしさもアップしますね。
また、ラー油らしさを感じさせる濃いオレンジ色のパウダーの色味が、味の辛さを印象付けています。
上掛けパウダーのかかり方がややムラがあり、色が全体にオレンジ色になっている生地、反対に普通の塩味のような薄い色味の生地、部分的にだけ多くかかっているものもありました。
〈サイズ〉
↓商品実測値(※繰り返し計測なし)
長さ(cm) | 長辺 7.5 | 直径 1.2 |
小さめのスティック形状で、指でつまんでパクっと食べられる、食べやすい一口サイズ。
米菓やスナック菓子はサイズが大きすぎると生地が割れた際に手元が汚れる心配がありますが、このサイズ感であれば汚れの心配が少ないですね。
揚げ菓子なので膨らんだサイズは多少違うでしょうが、一つひとつの大きさはほとんど同じです。
〈香り・食感・味〉
〈香り〉
辛味を感じるようなツンとした香りと、それ以上に揚げ菓子らしい生地と油の混ざった香ばしい香りがします。この香りは、米菓の袋を開けた時によく感じるタイプの香りですね。
食欲をそそる香りがあるので、早く食べたいと感じられます。
〈食感〉
ザクザク!と小気味いい音とともにさっくりと揚がった生地のしっかりとした歯ごたえが感じられます。何度か噛んでもザクザクとしっかりとした食感があるので、噛み応えがありますね。
そしてザクザクとした食感がありながらも意外と口どけはよく、食べ終わるときにはスッと生地がなくなります。
生地の表面が凸凹としていることもあり「表面がツルツルのスナック」よりも歯に当たる面積が広く、カリカリッという音と食感がより楽しめます。これはひねり揚の生地の形による特長ですね! また、表面の凹凸には、揚げ菓子であることもあり、よく上掛けパウダーが掛かりしっかりと味が乗ります。
〈味〉
強めの辛味が持続する、辛いもの好きな人向けの味です。
ラー油は辛味が強いのが特長の香味油脂ですが、その味わいを表現したこの商品も当然辛さ強めの味に仕上がっていますね。元々のラー油の味のベースとなるのは「ごま油と唐辛子」ですが、この商品では特に唐辛子の味わいが全面に出ています。
揚げ油と生地の香ばしさ、そしてなにより唐辛子の辛味が強いです。味の変化としては、上掛けパウダーから来る先味の強い辛味から、後味にかけてじわじわと唐辛子の辛味が舌に広がっていきます。食べ終わってからもヒリヒリとするような舌の刺激感が残りますね。ひとくちに「辛味」と言っても味の感じ方や感じるタイミングが違うので、辛味の質が変化しつつ長時間続きます。
しかし(袋の口をきちんと閉じて)1日ほど置くと、油と調味料がなじむのか揮発性の香辛料や香料がやや飛んだのか、カドがなくややマイルドな辛味になりました。私は辛味にはそこまで強くないので、このなじんだ辛味の方が旨味が感じられて食べやすかったですね。味のムラ感も減っていましたよ。
一方で、もうひとつの商品のウリである「旨み」自体は全体にやや主張が控えめ。
旨みは主に旨味調味料とごま油系の成分で出ているかと思いますが、その旨みが控えめな分、辛味がシャープに出ている気がします。
揚げ菓子としては、油脂感は強めでウェット、しっとりとしたような口どけにも感じられます。口がパサつきにくいので、味もよりしっかり感じられますね。
全体的にみると辛味が強い分、やや食べる人を選びそうな味かと思います。しかし不思議とパクパクと次々食べてしまうのは、この油感がありさっくりと仕上がった食べやすい生地があるからでしょうね。香ばしさもあるので、それがつい食べてしまうポイントかと思います。
関連商品
揚げ菓子「ひねり揚」シリーズの最もベーシックな商品。塩味をベースにしたシンプルな味とザクザクとした食べごたえのある食感で満足感のある一品。
製造は「うま辛ラー油」同様、ぼんち。こちらは全国で販売中。これまでに、「レモン」「バター醤油」なども発売した。
他社、他ブランドの競合商品
「ひねり揚」「綱揚げ」系の揚げ菓子は、複数の会社から類似品が販売されているタイプのお菓子です。
これらの類似商品は米菓系のメーカーで作られることが多く、中には「元祖」とされる商品もあります。これらに共通するのは編みあげたような網目形状と、揚げ菓子であること。原料は小麦ベース。
ネーミングは形や由来を表す「綱」「ひねり」と、製法を表す「揚げ」を組み合わせたものが多くなっています。
安価でボリューム感があるタイプのお菓子なので、人気なのも頷けますね。味のバリエーションもあり、通年販売となっているものが多いです。
〈同ジャンル菓子〉揚げ菓子/スナック菓子
公式にて「本家本元の元祖横綱あられです」と紹介されている、綱揚げ/ひねり揚げ系の商品の元祖。
ソフトな食感とあっさりした酸味のあるドレッシングをイメージした、飽きの来ない味わい。
〈別ジャンル菓子〉米菓
人気の米菓「亀田の柿の種」の味変え商品。
辛味と相性の良い柿の種にラー油の風味を加えることで、より辛味が立った味わいに。期間限定で、現在は終売済み。
(独断と偏見による)製品評価
パッケージ評価 | ★★★★☆☆☆シンプルでPBらしい仕上がり、商品内容わかりやすい。 |
製品評価(味・香り・食感・見た目) | ★★★★☆☆☆生地の食感・食べごたえあり。旨みより辛味強め。 |
総合評価 | ★★★★☆☆☆辛味強めで後をひく、やや人を選ぶ味。 |
唐辛子系の辛味が強い、辛い物好きな人向けの一品です。
ノーマルなひねり揚は辛味がほとんどなく全年齢向けですが、今回のひねり揚はラー油風の味付けを目指したことによって辛味は強めになっています。
辛さの許容範囲は非常に個人差が大きいですが、「普段から辛いものは苦手」という人には少し辛味が強いでしょうね。反対に辛い物好きならば、気軽に食べられる範囲の辛味でしょう。
また、開けてすぐはカドのある強めの辛味をしていて多少のムラがあるので、辛味の強いところと弱いところの差があります。(いっぱい掛かってると容赦なく辛い!)
先味の強い辛味は、封を開けた直後は強烈、しかし時間をおいてからだとマイルドになりカドを感じなくました。変わらなかったのは後を引くタイプのじんわりとした辛味。じわじわと辛いので次が食べたくなるような味で、食べ続けると徐々に舌がぴりぴりとしてきます。しかし、生地の風味が良いのでつい食べ続けてしまいますね。
辛味の質が開けた後にやや変化し、どちらかと言うと人を選ぶ辛味なので、総合で★4つです。
旨みがもう少し立っていて辛味のムラがなかったら、もう少し万人受けするタイプの辛さだったかも?と思います。
まとめ
セブンプレミアムの新発売「ひねり揚 うま辛ラー油」。
唐辛子の辛味が後引く、辛味強めの味わいでしたね。こちらの商品はセブン&アイ系列の店舗、ネットショップで購入できます。気になった方はぜひお試しを! 販売地域が現在限定されているので、販売地域外の方はネットで公式オンラインショップをチェックです。
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